y-knotシリーズ

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2023/9/28 最終更新

『これからの教育学』 第10章 学力/能力を教育学する

目次

・文献にチャレンジ

・Further readings 次に読んでほしい本

・Book/Cinema guide 読書・映画案内

・巻末の引用・参照文献/資料

 


Quiz クイズ

この章の主題になっている学力と能力,どちらも「力」という漢字が入っています。小学校1 年生で学習する基礎的な漢字です。
この「力」という漢字の由来はa.~d. のどれでしょうか。

a. 農具の鋤(すき)の形をかたどったもの

b. 牛の形をかたどったもの

c. 筆の形をかたどったもの

d. 剣の形をかたどったもの

 

【WEB限定】Quiz クイズ

Q10.1 教育学者の勝田守一が提唱した学力の学説はどれ?

a. 計測可能学力説

b. 3層モデル

c. 習熟説

 

Q10.2 VUCAと表現される現代社会の特徴を示す4つの英単語はどれ?

a. Volatility, Uncertainty, Complexity, Ambiguity

b. Venture, Utilize, Capital, Acquisition

c. Vision, Upscale, Collaboration, Analytics

 

Q10.3 業績(またはその達成を可能にする能力)のある者が支配する社会体制を示す語はどれ?

a. アリストクラシー

b. メリトクラシー

c. ペアレントクラシー

 

Chapter structure 本章の構成/関連する章

Chapterstructure10korekaranokyoikugaku

 

Goals 本章の到達目標

1.学力や能力という言葉の教育学における含意を知る
2.現代の学力政策や教育課程政策の動向を知る
3.学力・能力に関わる社会問題について自分なりの見解をもつ

Introduction 導入(動画)

 

Report assignment レポート課題

本章の内容を振り返って,下記の2 つについてそれぞれ200 字程度でまとめてみましょう。
① 学力(資質・能力)をめぐる論点には,どのようなものがあったか。
② 能力を重視する社会にはどんな問題があるか。

 

文 献

文献にチャレンジ(各節【問い】の末に掲載)
1. 川口俊明(2020)『全国学力テストはなぜ失敗したのか――学力調査を科学する』岩波書店
2. 石井英真(2015)『今求められる学力と学びとは――コンピテンシー・ベースのカリキュラムの光と影』日本標準
3. 神代健彦(2020)『「生存競争」教育への反抗』集英社

 

Further readings 次に読んでほしい本
・志水宏吉(2022)『ペアレントクラシー――「親格差時代」の衝撃』朝日新聞出版
・白井俊(2020)『OECD Education 2030 プロジェクトが描く教育の未来――エージェンシー,資質・能力とカリキュラム』ミネルヴァ書房
・田中耕治編(2017)『戦後日本教育方法論史(上)――カリキュラムと授業をめぐる理論的系譜』ミネルヴァ書房
・中村高康(2018)『暴走する能力主義――教育と現代社会の病理』筑摩書房
・松岡亮二(2019)『教育格差――階層・地域・学歴』筑摩書房
・松塚ゆかり(2022)『概説教育経済学』日本評論社
・ヤング,M.(2021)『メリトクラシー』講談社エディトリアル

 

Book/Cinema guide 読書・映画案内
manbiki_DVD_rental_jk_ol©2018 フジテレビジョンギャガAOI Pro.
『万引き家族』(是枝裕和監督,フジテレビジョン,2018年)
▶ 是枝監督が数多く手がける「家族」の物語の1 つ。格差社会のただなかで,犯罪でつながったこの「家族」の絆は美しく,やるせない。こうした家族を救うために,教育はなにができるでしょうか。あるいはこれは,教育などおよびでない物語,教育の無力さを示す作品なのでしょうか。

 

巻末の引用・参照文献/資料
・石井英真(2015)『今求められる学力と学びとは――コンピテンシー・ベースのカリキュラムの光と影』日本標準
・呉永鎬(2019)『朝鮮学校の教育史――脱植民地化への闘争と創造』明石書店
・小川環樹ほか編(2017)『角川新字源』改訂新版,KADOKAWA
・勝田守一(1972)「学力とはなにか」『勝田守一著作集第4 巻人間形成と教育』国土社
・川口俊明(2020)『全国学力テストはなぜ失敗したのか――学力調査を科学する』岩波書店
・神代健彦(2020)『「生存競争」教育への反抗』集英社
・サンデル,M./鬼澤忍訳(2021)『実力も運のうち――能力主義は正義か?』早川書房
・田中耕治(2008)『教育評価』岩波書店
・広岡亮蔵(1964)「学力,基礎学力とはなにか――高い学力,生きた学力」『別冊現代教育科学』第1号
・本田由紀(2020)『教育は何を評価してきたのか』岩波書店
・松岡亮二(2019)『教育格差――階層・地域・学歴』筑摩書房
・松下佳代編(2010)『〈新しい能力〉は教育を変えるか――学力・リテラシー・コンピテンシー』ミネルヴァ書房
・OECD(2018)The Future of Education and Skills: Education 2030(「教育とスキルの未来――Education 2030」文部科学省初等中等教育局教育課程課教育課程企画室訳)
[読書・映画案内図版クレジット]『万引き家族』Blu-ray,5,170 円(税込)/DVD,4,180 円(税込)(発売元:フジテレビジョン,販売元:ポニーキャニオン)© 2018 フジテレビジョンギャガAOI Pro.

 

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