y-knotシリーズ

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2024/4/26 最終更新

『これからの教育学』 第5章 日本における近代学校のはじまり──1870-1900年代

目次

・文献にチャレンジ

・Further readings 次に読んでほしい本

・Book/Cinema guide 読書・映画案内

・巻末の引用・参照文献/資料

 


Quiz クイズ

日本における学校教育制度のはじまりといえる「学制」の発布は1872(明治5)年です。ところで,その翌年に発生した事件は次のうちどれでしょうか。

a. 秩父事件

b. 大逆事件

c. 学校焼き討ち事件

d. 滝川事件

 

【WEB限定】Quiz クイズ

Q5.1 学制の説明として誤っているのはどれ?

a. 1947年に制定された日本の教育の根本をなす法律である

b. 全国を8つの大学区に分け、1つの大学区を32の中学区に、また1つの中学区を210の小学区に分けて学校を設置するとした

c. 皆学主義、立身出世主義、実学主義といった特徴がある

 

Q5.2 明治初期の学校の説明としてあてはまるのはどれ?

a. 師匠のもとで子どもが個々に、異なる内容の学習を行う方式だった

b. 優秀な子どもが助教となって他の子どもを教える方式だった

c. 多数の児童生徒に同時に一定の教材を与えて教える方式だった

 

Q5.3 修身の説明としてあてはまるのはどれ?

a. 現在の理科にあたる教科である

b. 「修身」の名称は、儒教の経典『春秋』の文章を起源とする

c. 1880(明治13)年の第2次教育令において、学科(教科)の筆頭になった

 

Q5.4 明治初期に広く使用された学用品としてあてはまらないのはどれ?

a. 石盤 b. 石筆 c. 羊皮紙

 

Chapter structure 本章の構成/関連する章

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Goals 本章の到達目標

1.日本における近代教育制度のはじまりを理解する
2.教育の近代と伝統との出会いを知育と徳育の2 方面から理解する
3.学校にあるモノ・コトを歴史的にみつめる視点を身につける

 

Introduction 導入(動画)

 

Report assignment レポート課題

本章の内容を振り返って,下記の2 つについてそれぞれ200 字程度でまとめてみましょう。
① 日本における近代教育制度のはじまりにおいて生じた不就学問題は,どのような背景から生じていたか。
② 現代の日本の学校のモノ・コトは近代学校のはじまりの頃と比べるといかなる点が異なるといえるか。

 

文 献

文献にチャレンジ(各節【問い】の末に掲載)
1. 元森絵里子(2014)『語られない「子ども」の近代――年少者保護制度の歴史社会学』勁草書房
2. 宮本健市郎(2018)『空間と時間の教育史――アメリカの学校建築と授業時間割からみる』東信堂
3. 高橋陽一(2019)『くわしすぎる教育勅語』太郎次郎社エディタス
4.有本真紀(2013)『卒業式の歴史学』講談社

 

Further readings 次に読んでほしい本
・木村元(2012)『日本の学校受容――教育制度の社会史』勁草書房
・佐藤秀夫(2005)『教育の文化史(2)学校の文化』阿吽社

 

Book/Cinema guide 読書・映画案内
Bookguide5‗korekaranokyouikugaku
倉石一郎(2019)『テクストと映像がひらく教育学』昭和堂
▶「教師の世界」「子どもの世界」「学校というシステム」という3 部からなる本書では,教師と生徒(教育的関係)や学校におけるケアをはじめ,教育学が対象とするさまざまな問題について明治期から現代に至る小説や映画をもとに検討されています。教師や子ども,学校を対象としたテクストや映像資料を読み解く奥深さやおもしろさを感じる一冊です。

 

巻末の引用・参照文献/資料
・有本真紀(2013)『卒業式の歴史学』講談社
・飯島利八/佐藤善治郎閲(1911)『小学校の儀式に関する研究』開発社
・伊東毅・高橋陽一(2017)『道徳科教育講義』武蔵野美術大学出版局
・片桐芳雄・木村元編/木村政伸・橋本美保・高木雅史・清水康幸(2017)『教育から見る日本の社会と歴史』第2版,八千代出版
・倉石一郎(2019)『テクストと映像がひらく教育学』昭和堂

 

国立教育政策研究所教育図書館貴重資料デジタルコレクション https://www.nier.go.jp/library/rarebooks/
国立公文書館デジタルアーカイブ https://www.digital.archives.go.jp/
国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/ja/
・佐藤秀夫(1988)『ノートや鉛筆が学校を変えた――学校の文化史』平凡社
・白井毅編(1887)『学級教授術』普及舎
・大日本教育會編(1892)『維新前東京市私立小學校教育法及維持法取調書』大日本教育會事務所
・たいみち著【連載】文房具百年 #6「学習ノートとノートのようなもの」後編| (WEB マガジン「文具のとびら」)
・高橋陽一(2019)『くわしすぎる教育勅語』太郎次郎社エディタス
・辻本雅史編(2008)『教育の社会史』放送大学教育振興会
・花井信(1986)『近代日本地域教育の展開――学校と民衆の地域史』梓出版社
・広田照幸(2022)『学校はなぜ退屈でなぜ大切なのか』筑摩書房
・元森絵里子(2014)『語られない「子ども」の近代――年少者保護制度の歴史社会学』勁草書房

 

図版・資料リンク

大日本大学区全図
https://www.digital.archives.go.jp/img/3044645
(国立公文書館デジタルアーカイブ所蔵)

 

表5-1 日本の近代教育制度
PDFデータ
(出所)文部省1972,片桐・木村2017 を参考に作成。

 

『小学教師必携補遺』(1874 年)
https://www.nier.go.jp/library/rarebooks/teaching/375-394/
(国立教育政策研究所貴重資料デジタルコレクション所蔵)

 

修身教科書『ヨイコドモ』(上)の忠孝に関連する内容
https://dl.ndl.go.jp/pid/1277310
(国立国会図書館デジタルコレクション所蔵)

 

尋常高等小学校ノート「教育的雑記帳」
https://www.buntobi.com/articles/entry/series/taimichi/007992/
(出所)たいみち著「【連載】文房具百年 #6「学習ノートとノートのようなもの」後編」 (WEB マガジン「文具のとびら」)

 

WEB限定コラム

コラム⑤ 学制序文(★5章p.73の補足)(準備中)
コラム⑥ 学齢児童の不就学(★5章p.76の補足)(準備中)
コラム⑦ 9月始まりの学校暦(★5章p.89の補足)