y-knotシリーズ

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2024/1/5 最終更新

『これからの教育学』 第9章 問われる学校の価値──1980年代以降

目次

・文献にチャレンジ

・Further readings 次に読んでほしい本

・Book/Cinema guide 読書・映画案内

・巻末の引用・参照文献/資料

 


Quiz クイズ

2006(平成18)年12 月,第1 次安倍晋三政権下において,日本の教育制度の根本に関わる法律の改正が行われました。教育基本法改正です。現在の日本の教育制度はこれを根本的な法律として運用されています。
さて下記は,現行の教育基本法1 条です。日本の公教育の目的を定めています。(ア)と(イ)に当てはまる語句の組み合わせとして正しいものはa.~d. のどれでしょうか。

教育基本法 1 条
教育は,(ア)を目指し,(イ)として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない。

a. (ア)国家の繁栄,(イ)夫婦相和する温かな家庭の形成者

b. (ア)人格の完成,(イ)平和で民主的な国家及び社会の形成者

c. (ア)社会人の育成,(イ)豊かで活力ある経済社会の形成者

d. (ア)人間の完成,(イ)持続可能なグローバル社会の形成者

 

【WEB限定】Quiz クイズ

Q9.1 中学校における長期欠席者の量的推移の説明としてあてはまるのはどれ?

a. 1950年代から現在まで一貫して1%以下である。

b. 1950年代から現在まで一貫して10%以上である。

c. 戦後から1970年代中盤にかけて減少し、その後再び上昇した。

 

Q9.2 臨時教育審議会の説明としてあてはまるのはどれ?

a. 1937~42年に設置された審議会で、国民学校制度を答申した。

b. 1984~87年に設置された審議会で、「個性重視の原則」を答申した。

c. 2006~2008年に設置された機関で、「徳育」の教科化を提言した。

 

Q9.3 2006年に改正された教育基本法の第2条が定めているのはどれ?

a. 教育の方針

b. 教育の目的

c. 教育の目標

 

Chapter structure 本章の構成/関連する章

Chapterstructure9korekaranokyoikugaku

 

Goals 本章の到達目標

1.1980 年代以降に起きた学校の問い直しについて知る
2.学校教育のさまざまな問題もふまえつつ,今後のあるべき(公)教育について一定の見解をもつ

 

Introduction 導入(動画)

 

Report assignment レポート課題

本章の内容を振り返って,下記の2 つについてそれぞれ200字程度でまとめてみましょう。
① 1980年代以降の日本の学校教育には,どのような問題が生じたか。
② 今後の日本の学校にはどのような変化が求められるか。

 

文 献

文献にチャレンジ(各節【問い】の末に掲載)
1. 保坂亨(2019)『学校を長期欠席する子どもたち――不登校・ネグレクトから学校教育と児童福祉の連携を考える』明石書店
2. 鈴木大裕(2016)『崩壊するアメリカの公教育――日本への警告』岩波書店
3. 額賀美紗子・芝野淳一・三浦綾希子編(2019)『移民から教育を考える――子どもたちをとりまくグローバル時代の課題』ナカニシ
ヤ出版

 

Further readings 次に読んでほしい本
・おおたとしまさ(2022)『不登校でも学べる――学校に行きたくないと言えたとき』集英社
・加藤美帆(2012)『不登校のポリティクス――社会統制と国家・学校・家族』勁草書房
・苅谷剛彦(2019)『追いついた近代消えた近代――戦後日本の自己像と教育』岩波書店
・三浦綾希子(2015)『ニューカマーの子どもと移民コミュニティ――第二世代のエスニックアイデンティティ』勁草書房
・吉見俊哉編(2019)『平成史講義』筑摩書房

 

Book/Cinema guide 読書・映画案内
Bookguide9‗korekaranokyouikugaku© 2022「かがみの孤城」製作委員会
『かがみの孤城』(原恵一監督,2022 年)
▶ 辻村深月の同名小説の映画化。主人公のこころは,学校に居場所をなくして部屋に閉じこもる中学生です。あるとき彼女は,鏡の中の城に迷い込み,6人の中学生たちと出会います。中学生の生きづらさが繊細に描かれた作品を手がかりに,現代の子どもの困難を想像してみてください。

 

巻末の引用・参照文献/資料
・市川昭午(1995)『臨教審以後の教育政策』教育開発研究所
・大桃敏行・背戸博史編(2020)『日本型公教育の再検討――自由,保障,責任から考える』岩波書店
・北澤毅編(2007)『リーディングス日本の教育と社会9 非行・少年犯罪』日本図書センター
・久冨善之(1993)『競争の教育――なぜ受験競争はかくも激化するのか』労働旬報社
・鈴木大裕(2016)『崩壊するアメリカの公教育――日本への警告』岩波書店
・日本教育法学会編(2021)『コンメンタール教育基本法』学陽書房
・額賀美紗子・芝野淳一・三浦綾希子編(2019)『移民から教育を考える――子どもたちをとりまくグローバル時代の課題』ナカニシヤ出版
・広田照幸(2001)『教育言説の歴史社会学』名古屋大学出版会
・保坂亨(2019)『学校を長期欠席する子どもたち――不登校・ネグレクトから学校教育と児童福祉の連携を考える』明石書店
[読書・映画案内図版クレジット]『かがみの孤城』Blu-ray〔通常版〕5,280円(税込)/DVD〔通常版〕4,180円(税込)(発売・販売元:アニプレックス)© 2022「かがみの孤城」製作委員会

 

図版・資料リンク

図9-1 中学校長期欠席者出現率
PDFデータ
(出所)「公立小学校・中学校長期欠席児童生徒調査」「学校基本調査」および「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」より筆者作成。

 

WEB限定コラム

コラム⑩ 移民から日本の教育の現在を考える