y-knotシリーズ

一般の方向け

2023/3/9 最終更新


Chapter structure

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キーワード

うつ病 / 抑うつ気分 / 興味・関心喪失 / 食欲の変化 / 体重の変化 / 睡眠の変化 / 自責感 / 無価値感 / 自殺念慮 / 休息 / コラム法 / 行動活性化 / マインドフルネス / ストレスチェック制度 / リワークプログラム / 依存症 / セルフスティグマ / 依存 / 嗜癖 / 耐性 / 離脱 / ギャンブル障害 / ゲーム障害 / 動機づけ面接法 / AA(Alcoholics Anonymous) / 断酒会 / ハームリダクション

Quiz クイズ

Q8.1  2017年の「患者調査」で,精神障害者は419万3000人でした。これは,精神科医療機関を利用した患者の数から割り出された人数です。
それでは,精神障害者保健福祉手帳をもっている人はおよそ何人くらいいるでしょうか。
a. およそ100 万人 b. およそ200 万人 c. およそ300 万人 d. およそ400 万人

 
[★ウェブ追加分:書籍非掲載Quiz]
★Q8.2 次のうち,妄想(誤った考えに確信をもち訂正できないもの)があらわれることがあるのはどれでしょうか。
a. 統合失調症 b. うつ病 c. 認知症 d. 双極性障害

 

Exercise エクササイズ

 

8.1 統合失調症のある人の声をきこう:統合失調症のある当事者の声を動画で紹介するサイト「JPOP-VOICE」で,統合失調症のある人の話をきいてみよう。a.統合失調症に対する印象(変化したこと,変化しなかったこと),b. 統合失調症について新たに気づいたことを,話し合ってみよう。

 

[★ウェブ追加分:書籍非掲載Exercise]
★8.2 幻覚ってどんな体験?:統合失調症の急性期に見られる幻覚とはどのような体験なのか,『統合失調症ナビ』の動画「統合失調症の疑似体験動画:バーチャルハルシネーション」で疑似体験し,感想を話し合ってみよう。
※視聴中に気分が悪くなるようなことがあればすぐに視聴を中止してください。また,現在精神科やメンタルクリニックに通院中の人は主治医や家族と十分相談の上,視聴してください
 

 

★8.3 あなたならどうする? どうしてほしい?:障害支援を担うのは私たちすべてであり(→2章),悩んでいる身近な人に気づき,声をかけ,必要な支援につなげ,見守る人のことを,とくにゲートキーパーと呼び,自殺対策として注目されています。しかし実際には支援するのもされるのも難しいものです。以下の状況で,①あなただったらAさんにどう対応する(しない)か? ➁あなたがAさんだったらどう対応してほしい(ほしくない)か? を話し合ってみよう。
※わがことのように感じて苦しくなってしまう恐れもあります。無理のない範囲で取り組んでください。

 あなたの友人Aさんは,このところ授業の欠席が続き,LINEに既読もつかなくなりました。今日,久しぶりに授業に出てきたAさんは元気がなく,身なりに構っていない様子でした。話しかけてみましたが,ことば少なで,「最近なんだかいろいろどうでもよくなってきた」などとつぶやくように言い,会話を避けるように帰って行きました。「Aさんはどうやら就活がうまくいっていないらしい」と別の友人からききました。

 

引用・参照文献

  • APA(American Psychiatric Association)(2013). Diagnostic and statistical manual of mental disorders(5th ed.). American Psychiatric Pub.(American Psychiatric Association編/日本精神神経学会(日本語版用語監修)/髙橋三郎・大野裕監訳(2014).『DSM-5精神疾患の診断・統計マニュアル』医学書院)
  • ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)(2015).『はまった理由《依存症回復者80人の声》』(『季刊Be!』増刊号No. 24),アスク・ヒューマン・ケア
  • ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)(2019).『「依存症」偏見とスティグマ――私たち,黙っているのはやめました』(『季刊Be!』増刊号No. 28),アスク・ヒューマン・ケア
  • Deegan, P. E.(1988). Recovery: The lived experience of rehabilitation. Psychosocial Rehabilitation Journal, 11 (4), 11-19.
  • 江口重幸(2017).「『大きな物語の終焉』以降の精神医学・医療の現在」『臨床心理学』 17(3),267-271.
  • 石原孝二(2017).「認知症と精神障害――精神病理学と生物・心理・社会モデルの哲学」『臨床心理学』17 (3),294-297.
  • 上岡陽江・大嶋栄子(2010).『その後の不自由――「嵐」のあとを生きる人たち』医学書院
  • 川上憲人(2014).「精神疾患の有病率等に関する大規模疫学調査研究――世界精神保健日本調査セカンド 総合研究報告書
  • 北中淳子(2014).『うつの医療人類学』日本評論社
  • 古茶大樹(2015).「臨床精神病理学的視点から見たうつ病の診断学」田島治・張賢徳編『うつ病診療の論理と倫理』(精神医学の基盤2)学樹書院
  • 國分功一郎・熊谷晋一郎(2020).『〈責任〉の生成――中動態と当事者研究』新曜社
  • 厚生労働省(2018b).「平成30年版厚生労働白書――障害や病気などと向き合い,全ての人が活躍できる社会に
  • 黒木俊秀・本村啓介(2017).「精神疾患診断のパラダイム・シフト――カテゴリーからディメンジョンへ」『臨床心理学』17 (3),290-293.
  • Leamy, M., Bird, V., Boutillier, C., Williams, J., & Slade, M.(2011). Conceptual framework for personal recovery in mental health: systematic review and narrative synthesis. The British Journal of Psychiatry, 199, 445-452.
  • 松本ハウス(2018).『相方は,統合失調症』幻冬舎
  • 松本俊彦(2017).「専門医でなくてもできる薬物依存症治療――アディクションの対義語としてのコネクション」『精神科治療学』32 (11),1405-1412.
  • 松本俊彦(2019).「「ハマる」の来し方・行く末――アディクション概念の変遷について」『こころの科学』205, 18-25.
  • 内閣府(2022).「令和4年版 障害者白書
  • 中井久夫・山口直彦(2004).『看護のための精神医学』第2版,医学書院
  • 中村敬(2015).「うつ病の精神療法再考」田島治・張賢徳編『うつ病診療の論理と倫理』(精神医学の基盤2)学樹書院
  • 日本統合失調症学会監修/福田正人・糸川昌成・村井俊哉・笠井清登編集(2013).『統合失調症』医学書院
  • 野口裕二(1996).『アルコホリズムの社会学――アディクションと近代』日本評論社
  • 尾崎紀夫・三村將・水野雅文・村井俊哉編(2018).『標準精神医学』第7版,医学書院
  • 坂本真士編(2020).『心理学からみたうつ病』朝倉書店
  • 佐久間寛之(2021).「1.アルコール使用症群」『精神科治療学』増刊号,36,158-161.
  • Schomerus, G., Lucht, M., Holzinger, A., Matschinger, H., Carta, M. G., & Angermeyer, M. C.(2011). The stigma of alcohol dependence compared with other mental disorders: A review of population studies. Alcohol and Alcoholism, 46 (2), 105-112.
  • 竹井謙之編(2021).『アルコール医学・医療の最前線2021UPDATE』(別冊 医学のあゆみ),医歯薬出版
  • 田中圭一(2017).『うつヌケ――うつトンネルを抜けた人たち』KADOKAWA
  • 津川律子・信田さよ子編(2021).『心理学からみたアディクション』朝倉書店
  • 内海健・神庭重信編(2018).『「うつ」の舞台』弘文堂