特集
基本7法を中心に、学習上苦手意識を持ちやすい論点や判例などに焦点をあて、『特集』を組んでいます。豊富な情報量、そしてさまざまな観点からのアプローチにより、複合的な視点から法律をつかめます。
憲法の学習における学説と判例・実務
季節外れの冷たい雨風に耐え、入学式をきれいに彩ってくれた桜の樹もすっかり緑で覆われつつあります。新年度の緊張もとけてくる頃ですが、一方で疲れも出やすくなるかもしれません。2025年度はまだたくさんの行程を残しますので、無理せず気負わずお過ごしください。
さて、今月号より基本7法の特集がスタートします。今年度の特集共通テーマは「学説の役割と判例・実務との関係」。法科大学院制度開始から20年が過ぎ、学説と判例・実務との関係に変化が見られるのではないか。そのことは、法学部や法科大学院における学修のあり方にも影響を及ぼしているのではないか。そして、学説は、判例の説明や正当化に力を割くようになってはいないか――そんな刑事法分野からの問題提起(本誌525号・529号巻頭言)も受け、ここで改めて、学説の役割を考えてゆきたいと思いました。
トップバッターは憲法。学説と判例の相関を理解するのに好適な5テーマを揃えました。日々の学習に補助線を引くお手伝いができたらと願っています。どうぞ、じっくり向き合ってみてください。