y-knotシリーズ

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2023/5/17 最終更新

活かすゲーム理論 オンライン・コンテンツ4.3

色々な進化動学と進化的安定状態

【図斎 大】

本稿は,浅古泰史・図斎大・森谷文利『活かすゲーム理論』有斐閣の第4章までを読んだ読者を対象としたオンライン・コンテンツです。
本書では進化動学の代表として最適反応動学を取り扱いました。均衡を前提とせずに,進化動学のように調整過程から社会を分析する分野を進化ゲーム理論と言います。日本語に限らず入門レベルのゲーム理論全般の教科書で進化ゲーム理論を紹介するときには,これまでは複製子動学(replicator dynamic)という進化動学,あるいは進化的安定状態(evolutionary stable state, ESS)というナッシュ均衡を精緻化した均衡概念が用いられていました。これらは「進化」を考える元となった生物学でのゲーム理論で代表的なものです。このオンライン・コンテンツでは複製子動学やESSを最適反応動学と繋げながら,それらの生物学的な意味や,進化動学の広さを紹介します。また従来の教え方と接合するよう,本書の例を用いて複製子動学やESSに関する演習問題も与えます。2.2節では偏微分と線形代数(負値定符号)を用いますが,それ以外は初等的な計算にとどめています。

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