★六法の活用コラムvol.1~どこが変わったの?~
小社のポケット六法は,毎年概ね9月下旬~10月上旬頃に刊行しておりますが,毎年どの法律に変化があったのかという趣旨のお問い合わせを頂くことがございます。
そこで,今回は小社のポケット六法の収録法令において,平成28年版刊行→平成29年版刊行の間にどういった改正があったのか,主要なものをご紹介したいと思います。
~特に重要な法律の改正~
・刑事訴訟法の改正
…取調べの録音・録画(可視化)の義務付けや司法取引の新設などを柱とした改正。
・民法(成年後見人関係)の改正
…成年後見人による郵便物等の管理や,成年被後見人が死亡した後の成年後見人の権限などを整備する改正。
・民法(再婚禁止期間)の改正
…平成27年12月の最高裁違憲判決を受けて,女性の再婚禁止期間に係る規定を改正したもの。
~その他、主要な法改正~
・行政個人情報保護法の改正
…個人情報の適正な活用が新たな産業の創出や活力ある経済社会の実現に資することを踏まえ,所定の範囲内において,行政機関等の保有する個人情報を加工して作成する非識別加工情報を事業の用に供しようとする者に提供する仕組みを設けるほか,所要の規定の整備を行うもの。
・消費者契約法の改正
…高齢化など社会情勢の変化に対応して,消費者利益の保護を図るため,無効とする消費者契約条項の類型追加・取消権行使期間の伸長等の措置を講ずる改正。
・特定商取引法の改正
…特定商取引における取引の公正及び購入者等の利益保護を図るため,法人の役員等の新たな業務の開始等に係る規制を強化し,電話勧誘販売において通常の分量を著しく超える商品の売買契約の申込みの撤回等の制度を創設した改正。
・通信傍受法の改正
…通信傍受の対象事件に殺人や窃盗,詐欺等新たに9種類の犯罪が追加され,暗号技術を活用する新しい傍受の実施方法を導入する改正。
…等々がありました。
※これらの改正はポケット六法本体の本文に織り込み済みです。
※また,ポケット六法には前年版から改正があった条文については,条名(第○条の部分)に傍線が引いてありますので,最近変わった条文がすぐにご確認いただけますので,ぜひご活用ください。
もちろん,改正があった条文だけ変わったのではありません。
条文を読み解くための参照条文や事項索引等も法改正に対応していますし,新法を収録したり,既収録の法令につき収録範囲を見直したりしています。
そのような六法に施されている工夫についてもこのコーナーで紹介して参りますので,ご期待ください。