y-knotシリーズ

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2026/4/27 最終更新

序章p.9 web教材②

TIPI-J

 

TIPI-J(Ten Item Personality Inventory-Japanese)は,パーソナリティを「外向性」「協調性」「勤勉性」「神経症傾向」「開放性」というビッグ・ファイブ理論にもとづいて,ごく短時間で把握するために作成された10項目の尺度です。ビッグ・ファイブは,現代のパーソナリティ心理学でもっとも広く用いられている主要な特性モデルの一つであり,TIPI-Jはその5特性を各2項目で簡便に測定できるようにしたものです。日本語版TIPI-Jは,小塩・阿部・Cutrone(2012)によって作成され,2項目間の関連,再検査信頼性,他のビッグ・ファイブ尺度との関連などから,一定の信頼性と妥当性が示されています。
 

TIPI-Jの大きな利点は,項目数が非常に少なく,授業や調査,スクリーニングなどで回答者の負担を抑えながら人格特性の大まかな傾向を把握しやすい点にあります。その一方で,各特性を2項目だけで測定するため,長い尺度に比べると内的一貫性や細かな側面の把握には限界があります。したがって,TIPI-Jは「短時間で全体像をつかむ」用途には有用ですが,精密な個人差の測定や下位側面まで詳しく検討したい場合には,より項目数の多いビッグ・ファイブ尺度を用いるほうが適しています。
 

本書では,著作権上の配慮からTIPI-Jの全項目は掲載していません。実際の項目を確認したい読者は,以下の原著論文を参照してください。
 

【有光興記】

【参考文献】
小塩 真司・阿部 晋吾・Cutrone, P. (2012). 日本語版Ten Item Personality Inventory(TIPI-J)作成の試み. パーソナリティ研究, 21(1), 40–52.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/personality/21/1/21_40/_article/-char/ja