【小俵将之・浅古泰史・森谷文利・図斎大】
問題5.1(部分ゲーム完全均衡)
(上,(左,左))
(乙,(甲,甲))
((L,X,Y),(A,D))
(D,R,B)
問題5.2(Gon-Kネット販売に挑戦する!)
(ア)部分ゲーム完全均衡:(購入しない,低品質を送る)
この状況では視聴者とGon-Kはコミットメント問題に直面している。「買ってくれたら高品質を送る」というGon-Kの約束(つまり戦略)は信憑性に欠けている。何故なら,実際に視聴者が買った後のタイミングではGon-Kは低品質を送った方が得をするからである。これを見越した視聴者は購入せず,両者の利得は0になる。
(イ)ゲームの木は下図左側のようになる。下図右側は,後ろ向き帰納法の解を図示している。上の数字が視聴者の利得,下の数字がGon-Kの利得である。
サブゲーム完全均衡では,視聴者は,低品質ならば返品するが高品質ならば返品しない。これによって,Gon-Kは高品質を送った方が得するので,高品質を送る。高品質が送られることが分かっているので,視聴者は購入する。
問題5.3(チェーンストア・パラドックス)
(ア)(参入する,協調的)が部分ゲーム完全均衡である。
(イ)このゲームの標準形は以下の利得表で与えられる。
ナッシュ均衡は(参入する,協調的)と(参入しない,敵対的)の2つである。
(ウ)(参入しない,敵対的)は「から脅し」のナッシュ均衡である。このナッシュ均衡において,アオンの「参入しない」という戦略は,「参入したら敵対的に応答する」という関東スーパーの脅しに対して最適反応になっている。しかしこの脅しは,信憑性に欠けた「から脅し」になっている。何故なら,仮にアオンが参入した場合,関東スーパーは協調的に対応した方が利得が高いためである。言い換えるならば,アオンが参入してきた後のサブゲームにおいては関東スーパーの最適な行動は「協調的」である。以上より,(参入しない,敵対的)はナッシュ均衡ではあるがサブゲーム完全均衡ではない。