演習問題の解答
第1章
1.1
資 産: 土地,売掛金,現金,棚卸資産(商品)
負 債: 借入金,買掛金,貸倒引当金
純資産: 資本金
収 益: 売上高,受取利息
費 用: 仕入,給料,支払利息
1.2
① (借)建物 10億円[資産の増加] (貸)現金 10億円[資産の減少]
② (借)現金 500万円[資産の増加] (貸)借入金 500万円[負債の増加]
③ (借)現金 1000万円 [資産の増加] (貸)売上 1000万円[収益の発生]
④ (借)利益剰余金 1億円[資本の減少] (貸)現金 1億円[資産の減少]
第2章
2.1
ウ 【解説】資産・負債の「流動」と「固定」の区分には,正常営業循環基準と1年基準という2つの基準が併用されています。
2.2
イ 【解説】会社法は,大会社に対して決算公告を義務づけていますが,有価証券報告書を提出している上場企業は,その内容で代替されるため,公告義務が免除されます。
第3章
3.1
売上総利益は,売上高から売上原価を引いて算定され,粗利とも呼ばれます。売上総利益から販管費を引いて算定されるのが営業利益で,これは本業から生じた利益です。営業利益に営業外収益を加算し,営業外費用を減算して算定されるのが,経常利益です。経常利益は,企業が本業と金融活動で得た利益を意味します。経常利益に特別利益・損失を加減すると,税金等調整前(税引前)当期純利益が算定されます。この税引前当期純利益から法人税,住民税及び事業税を引いて算定される利益が,当期純利益です。
3.2
40万円 【解説】損益分岐点となる販売個数をx個とします。売上高400x,変動費200x,固定費20万円,営業利益0と表現できるので,以下の式が成り立ちます(損益分岐点では営業利益が0になることが重要です)。
売上高(400x円)-変動費(200x円)-固定費(20万円)=営業利益(0円)
これを解くと,x=1000個と求められます。したがって,損益分岐点売上高は40万円(=1000個×400円)となります。
第4章
4.1
17万円 【解説】償却対象額:50万円-5万円=45万円,1年当たり償却額:45万円 / 5年=9万円,3年経過時点の累計償却額:9万円×3年=27万円,3年経過時点の帳簿価額:50万円-27万円=23万円。したがって減損損失は, 帳簿価額23万円-回収可能価額6万円=17万円となります。
4.2
長期金利の上昇は割引率の上昇を意味するため,将来キャッシュフローの現在価値が低下し,NPVは減少します。
第5章
5.1
借入金とは,銀行や信用金庫等から借り入れた資金のことです。金融機関から資金を借り入れる場合は,借用証書を金融機関に渡す方法がしばしば用いられます(証書借入)。一方,約束手形を活用した借入を,手形借入と呼びます。手形借入では,保有する手形を自身が契約する取引銀行に持ち込むことで融資を受けますが,金融市場を通じて金融機関や機関投資家に向けて発行するパターンもあり,これがコマーシャル・ペーパーです。社債にはいくつかの種類がありますが,普通社債と呼ばれるのは,購入する人に対して満期日に社債を償還して額面金額を支払うことを決める債務のことを指します。
5.2
負債のトレードオフ理論は,負債を利用することによって得られる節税効果等のベネフィットと,負債利用によって発生する倒産リスク等のコストとのバランスを考慮して,企業が最適な資本構成を決定していることを示すものです。
第6章
6.1
イ 【解説】適時開示は,証券取引所によって求められるものです。その内容は決算短信という形で開示され,証券取引所が運営するTDnetでも入手できます。なお,アメリカの法定開示についてはEDGAR,日本の法定開示はEDINETのサイト内で,情報を入手することができます。
6.2
② 【解説】有価証券報告書の「主要な経営指標等の推移」には,企業の主要な業績(財務数値・経営指標等)が直近5年分記載されています。これらは「(1) 連結」と「(2) 提出会社」に分けて開示されます。ホールディングス化している場合,提出会社(親会社)はグループ全体の統括が主な業務であり,事業活動の多くは子会社で行われます。そのため,提出会社単体の売上高や利益などの情報は,グループ企業の営業活動の実態を反映していない点に注意が必要です。
第7章
7.1
ウ 【解説】ROAは,企業が活用する総資本(=資産合計)を用いて,事業利益をいくら生み出したかを表す指標です。なお,アはROE,イは売上高利益率,エは財務レバレッジをそれぞれ表します。
7.2
ア 【解説】資本構成の影響を相対的に受けやすいのはROEです。
第8章
8.1
ウ 【解説】これは固定長期適合率の説明です。
8.2
①導入期 ②成長期 ③正 ④負 ⑤負 【解説】成熟期に属する企業は事業から営業CFを獲得でき,それを投資にあてると考えられます。ただし,成長期に属する企業と比べると,投資額は相対的に少なくなります。その分の資金を,過去の調達資金の返済にあてる可能性があります。したがって,財務CFは負になります。
第9章
9.1
イ 【解説】事業戦略は,企業が特定の事業で目標を達成することで,競合企業を上回る成果を出すための戦略です。そのために自社のターゲット(目標)を定め,達成に向けた具体的な方策や投資計画を決めていきます。
9.2
⑤ 【解説】指名委員会等設置会社は,指名・報酬・監査の3つの委員会を設置し,取締役会による「経営監督」と執行役による「業務執行」を分離する企業統治体制です。監査等委員会設置会社と共通しているのは,法律上の「委員会」の構成員の過半数が社外取締役でなければならない点です。一方,古くからある監査役会設置会社では,以前は社外取締役の選任は義務ではありませんでした。しかし,2019年の会社法改正(2021年施行)により,上場会社等(公開会社かつ大会社)においては,社外取締役の選任が義務づけられました。
第10章
10.1
イ 【解説】パリ協定は,2015年に採択された気候変動抑制に関する国際的な合意です。世界共通の「2℃目標(1.5℃努力目標)」が設定されたことで,投資家が企業の気候変動リスクを重視するようになり,ESG投資を促進させる直接的なきっかけとなりました。
10.2
④ 【解説】SSBJは,ASBJと同様に,公益財団法人財務会計基準機構の傘下組織です。SSBJ基準は,IFRS S1・S2と同じく,投資家を主な開示対象としたシングル・マテリアリティを採用していますが,IFRS S1・S2の内容に準拠しつつ,部分的に独自の項目を盛り込んでいる点に特徴があります。
第11章
11.1
6.68% 【解説】WACCの計算式は以下の通りです(300-301頁)。税率は30%とします。
WACC
=[金融負債 / (金融負債+株主資本)]×負債コスト×(1-税率)
+[株主資本 / (金融負債+株主資本)]×株主資本コスト
11.2
1000億円 【解説】自己資本と株主資本を同額と考え,問題文にも示されている残余利益モデルにおける株式価値の計算式に,各数値を代入して算出しましょう。

