ここまで,メディア論の出発点と新しいメディア研究の潮流を紹介し(第1章・第2章),写真と映画の歴史を振り返り(第3章・第4章),とくに1980年代以降のメディア文化と情報社会の歴史を,音楽(第5章・第6章),都市(第7章・第8章),映像文化(第9章・第10章)の観点から横断的に検討しました。また携帯電話からスマートフォンへの移行とそれがもたらしたデータ主導型社会の功罪を検討し(第11章),2010年代末の新型コロナウイルスの感染拡大が私たちのメディア環境に与えた影響を考察しました(第12章)。ここからは,2020年代を生きる私たちが,実際にメディア研究をどのように設計していけばよいか,より具体的に考えていきます。
1994年の『メディア時代の文化社会学』のなかで吉見俊哉は,「一方では,メディアの変容に焦点を当てながら文化の変容を捉え返していく作業が,他方では,文化の変容の分析を進めながら,これをメディアによる媒介と結びつけていく作業が,相互に不可分なものとして必要になってくる」と述べています(吉見 1994: 7)。メディア時代の文化社会学とは,「これまで制度化された社会学のなかでは周辺に押しやられてきたメディアや表現の世界に焦点を当て,文化の生産や消費を,そうした表象をめぐるコミュニケーションの重層的な過程として捉え直していく方法的な企て」でもあるのです(吉見 1994: 33-34)。現在のメディア文化を研究していくためにも,ここで示されている視点は有効だといえるでしょう。
とはいえ第2章で述べたように,2000年代から2010年代にかけてメディア研究は大きな転換期を迎えており,インターネットの普及やデジタル化の進展,スマートフォンとSNSの登場やプラットフォーム企業の拡大,そしてこれらと対応した社会的な変化を踏まえながら再設計されていく段階にあります。こうした状況のなかで,2020年代に私たちはどのようにメディアやメディア文化の研究を進めていけばよいのでしょうか。この補章では,そのための手がかりとなるような書籍や論文を紹介しながら,実際に研究を進めていくための簡単な導入を行います。本章では,まずは大学の講義やゼミでレポートや論文を執筆するための計画書を作成するまでの段階を想定しています。なお著者の所属が社会学部であるため,社会学系の議論を中心とした紹介になります。
1 先行研究から出発する
メディア論の概説書を読む
具体的な研究計画を考える前に,まずは最近のメディア論でどのようなことが話題になっているか概観しておきましょう。2010年代後半から,日本でも新しいメディア研究の潮流を紹介する書籍や論文が刊行されるようになりました。たとえば,『クリティカルワード メディア論』(門林・増田編 2021)は,身体,遊び/ゲーム,政治とメディア,アートとメディアといったキーワードごとに最近の議論を概説しています。インターネットやモバイルメディアといった身近なものから,金融,軍事,司法といった,これまでメディア研究ではあまり扱われてこなかった領域まで網羅しており,研究領域の広がりを実感できるでしょう。
これに対し『ポストメディア・セオリーズ』(伊藤編 2021)は,メディアの理論と方法に焦点を当てた論文集です。スクリーン・スタディーズやフォーマット理論,新しいメディアリテラシー,アクターネットワーク理論,ファンダム研究,プラットフォーム研究などの潮流が紹介されています。メディア理論家・研究者に焦点を当て,その議論を概説する『メディア論の冒険者たち』(伊藤編 2023)と併せて読むことで,最近の研究動向についての理解がより深まるでしょう。これらの本はやや抽象度が高いため,どちらかというと大学院生向きかもしれません。難しく感じた場合は後回しにして,いまの段階では目次と関心のある項目に目を通しておけば十分です。
次に,メディア論の概説書や教科書を手に取ってみましょう。『クリティカル・ワード メディア論』と同様に,メディア研究の主要なテーマを概説した書籍として『よくわかるメディア・スタディーズ〔第2版〕』(伊藤編 2015)があります。多様なテーマが2〜4頁程度で手短に概説されているので,自分の関心のある項目から順番に読み進めてもよいでしょう。領域は多少異なりますが,『よくわかる社会情報学』(西垣・伊藤編 2015)や『文化社会学入門』(井上・長谷編 2010)でも,メディア研究に関連するテーマが扱われています。
初学者向けのメディア論の教科書としては,本書のほか,『メディア文化論』(吉見 2012),『ジェンダーで学ぶメディア論』(林・田中 2023),『メディア論〔新版〕』(水越・飯田・劉 2022),『現代メディア史〔新版〕』(佐藤 2018),『メディア社会論』(辻・南田・土橋編 2018),『入門 メディア・コミュニケーション』(山腰編 2017),『メディア技術史〔改訂版〕』(飯田編 2017),『メディアは社会を変えるのか』(津田 2016),『大人のためのメディア論講義』(石田 2016)などがあります。それぞれ立場や記述の重点が異なっていますので,目次を見て関心に近いものから読み始めるとよいでしょう。本書の巻末には「文献案内」を用意しています。本書で扱ったテーマで気になるものがあれば,そちらを参照してください。この段階では,徐々に自分の関心の所在を見極めていくことが重要です。
メディア研究の対象と方法
最近のメディア論の広がりを概観したところで,具体的なメディア研究の領域を確認しておきましょう。『基礎ゼミ メディア・スタディーズ』に収録された「『メディアスタディーズ』の現在とは?」(石田 2020)は,メディア研究の対象と方法を,主に(1)制作者研究,(2)テクスト研究,(3)オーディエンス研究の3つに分けて解説しています。(1)制作者研究は,メディア産業や組織,制作者についての研究です。テレビやラジオの制作や映画の撮影現場,あるいはアプリの開発や音楽プロデューサー,YouTuber,ライブハウスの運営や広告代理店の研究なども加えていいかもしれません。(2)テクスト研究は,具体的なメディアコンテンツ・作品の分析を指します。映画やテレビドラマ,ポピュラー音楽の研究,あるいはミュージックビデオやゲーム,インスタグラムの投稿やTikTokの動画の分析などをここに加えてもよいでしょう。(3)オーディエンス研究は,メディアの視聴者,読者,ユーザーの研究を指します。アプリの利用者,ファンやファンダム,ライブイベント等の参加者の研究もここに含まれます。
研究対象ごとにさまざまな調査方法があります。(1)制作者研究であれば,たとえば産業や組織の変化を知りたければ歴史研究,制作や運営の実態について知りたければインタビュー調査やエスノグラフィー(参与観察)といった方法があります。(2)テクスト研究であれば,特定のジャンルの変遷を知りたい場合には既存の研究から歴史をまとめることが必要になりますし,映画やドラマなどの映像分析を行いたい場合は映画理論や内容分析,ジェンダー論の方法も参考になるでしょう。(3)オーディエンス研究であれば,たとえばYouTubeの視聴やソーシャルメディアの利用について知りたい場合には,アンケートやインタビュー調査,ファン活動やイベントの参加者の実態についてはグループインタビューやエスノグラフィーによって調査することも可能です。
実際の研究を進めるためには,まずは調査目的と研究対象,それに応じた調査方法を絞り込んでいく必要があります。自分が関心ある対象と方法は,上述した分類だとどこに位置づけられるか考えてみるとよいでしょう。ただし,ソーシャルメディアやメディアイベントの場合のように,発信者と受信者,作り手と受け手,制作者とユーザーが判然と区別できない事例も増えてきています。アプリの利用状況の調査が,アプリ自体の技術的な仕組みの分析と切り離せない場合もあります。またアンケート調査による量的な分析とインタビュー調査による質的な分析を組み合わせたほうが,より詳細な実態を明らかにできる場合もあるでしょう。ポピュラー音楽の歴史をまとめたうえで,現在の聴取経験を調査することもあります。上述した分類はあくまで便宜的なものであり,自分の関心を絞り込んでいく際の指標の1つとして活用してください。
関連する論文集を読む
だいたいの関心が絞り込めたら,研究内容をより具体化していくために,自分の研究対象や関心に近い論文集を読んでみましょう。先述した『基礎ゼミ メディアスタディーズ』(石田・岡井編 2020)は,写真撮影やCMのジェンダー表現,K-POPといった身近な話題を多数取り上げています。もし映像に関心があるのなら,『映像文化の社会学』(長谷編 2016)や『スクリーン・スタディーズ』(光岡・大久保編 2019)を手に取ってみるとよいでしょう。またアニメに関心があれば『アニメの文化社会学』(永田・松永編 2020)も幅広いテーマを扱っています。近年,関心が高まっているファッション関連のメディアについては,『ファッションで社会学する』(藤田・成実・辻編 2017)や『クリティカルワード ファッション・スタディーズ』(蘆田・藤嶋・宮脇編 2023)が参考になります。
また音楽に関心があれば,『クリティカル・ワード ポピュラー音楽』(永冨・忠・日高編 2023)が最近の動向を簡潔に紹介していますし,歴史的な変化については『音響メディア史』(谷口・中川・福田編 2015)が蓄音機からボーカロイドまで扱っています。『メディア時代の広告と音楽』(小川・小田・粟谷ほか 2005)の議論を参考に,2000年代と現在のポピュラー音楽の変化について考えてもよいでしょう。またライブやフェスなどイベントの研究については『現代メディア・イベント論』(飯田・立石編 2017),『ライブカルチャーの教科書』(宮入 2019)も研究のアイデアを提供してくれます。
都市空間については,『無印都市の社会学』(近森・工藤編 2013)がフィールドワークによって都市の中のさまざまな場所を分析しており,インフラについては『ネットワークシティ』(田中編 2017)が道路,鉄道からエアコン,防犯カメラ,モバイルメディアまで多様な視点を紹介しています。『ガールズ・アーバン・スタディーズ』(大貫・木村・田中ほか編 2023)は,女性たちが生きる空間としての都市的経験に焦点を当てた論集,『モール化する都市と社会――巨大商業施設論』(若林編 2013)は,ショッピングモールなど商業施設から都市の変化を分析する論集です。また『ポスト情報メディア論』に収録されている「物流するメディア――メディアミックス・ハブとしてのコンビニエンスストア」(スタインバーグ 2018)は,身近な空間であるコンビニを,情報の流通と物の流通を結合し,さまざまなプロモーションを行う拠点として機能するメディアと捉えています。
ここで紹介した以外にも,最近では手軽に読めるメディアやメディア文化に関連する論集が多数出版されています。映像,音楽,都市などある程度,自分の関心を絞り込むことができたなら,図書館や書店でこうした論集を手に取って,いくつかの論文に目を通しながら,自分の研究テーマをさらに絞り込んでいくとよいでしょう。その際に,どのような対象を扱っているかだけでなく,どのような方法で(歴史研究? インタビュー調査? エスノグラフィー? 内容分析?)調査・分析を行っているかに注目すると,自分の研究に応用する際に参考になります。もし研究テーマや対象に迷うようであれば,ひとまず本書で扱われているテーマや,章末のレポート課題のなかから関心に近いものを選択してください。
メディア研究と表現・実践
メディアを研究する方法は,しかし,社会学的な調査や人文学的な分析にとどまりません。現在,私たちの身の回りに溢れているメディアやメディア文化を理解するためには,実際に自分たちでメディアを制作・表現し,企画・構想を行うといった実践的研究の重要性が増しています。映像制作を通じて撮影や編集のプロセスを経験したり,広告やプロモーションの企画を行い,アプリやWebサービスの設計を行うことは,メディアの技術的な仕組みを理解し,使いこなすためだけでなく,メディアが流通し,産業化し,受容される社会的なプロセスに対する理解を深めることにもつながります。
また,現在や過去のメディアの分析・調査を行うことと,新しいメディアの表現や企画を行うことは切り離すことができません。たとえば,新しいミュージックビデオの企画,制作を行う場合には,これまでのミュージックビデオのさまざまな表現を分析するだけでなく,現在のポピュラー音楽の流通や聴取に利用されているメディア,視聴環境の調査が必要になるでしょう。場合によってはソーシャルメディアで共有されやすい,バズりやすい特徴とは何かを分析したうえで,新しいMVの表現やプロモーションの方法を構想していくこともあります。
このようにメディアの実践研究は,既存のメディアや産業,表現を分析するだけでなく,今までとは異なる構想や企画,提案を行う側面をもちます。その意味で,メディア表現や実践的研究は,単にメディア研究の応用や付随するものではなく,調査・分析と有機的に連関し,さらには既存のメディアを組み替え,変化させていく試みでもあるのです。そうして制作されたメディアや表現が生み出す新たな知見やデータが,研究にフィードバックされることもあります。
先行研究レビューを作成する
自分の関心があるテーマや対象が定まってきたところで,次に先行研究レビューを執筆しましょう。選択した研究テーマや対象に関連する重要な文献,論文,調査,資料の概要をまとめて,わかりやすく紹介してください。最後にそれらの既存の研究と,自分が進めようとしている研究の関連性や違いを述べるようにしましょう。分量はケースバイケースですが,ここでは2000〜4000字程度,取り上げる文献は5点以上を目安に考えてください(単純計算だと1点当たり400字程度になります)。先行研究の探し方については,『最新・社会調査へのアプローチ』の「図書館とインターネットを使いこなすために」〜「過去の調査データへのアクセスと活用」も参考になります(大谷・木下・後藤ほか編 2023: 31-49)。
適切な先行研究を見つけ出すために,大学や近隣の図書館のOPACで書籍を検索することはもちろんですが,論文についてはCiNii(NII学術情報ナビゲータ)やGoogle Scholarで検索すると,関連する学術論文を探すことが可能です。ネットで直接PDFを取得可能な論文もあります。また実際に図書館や大型書店(場合によっては古書店)を訪れ,メディア研究や文化社会学に関連する書棚や新着・新刊書籍を探索し手に取ることも,先行研究と出会い,新しい発想を得るためのきっかけとなります。ミュージアムや映画館,商業施設やテーマパーク,スタジアムやライブ会場といった「現場」に足を運ぶことも重要です。
メディア研究の分野では最新の情報が書籍化されていない場合も多いため,ネットでアクセスできる記事や報告書も重要な資料になります。メディア研究に関連する基本的なデータの多くは,総務省『情報通信白書』ネット版で毎年公開されています。各種メディアの普及率や利用時間,産業規模等のデータだけでなく,最近は歴史やコラム,新しい産業や技術の動向の紹介など,参考になる情報も多数掲載されているため,研究対象やテーマによらず,一読しておくとよいでしょう。1995年から5年ごとに実施されている調査に基づいた『日本人の情報行動2020』(橋元編 2021)もメディア利用の変化を示す基本的なデータを掲載しています。
2 研究計画を組み立てる
研究概要を作成する
調査対象やテーマが定まり,先行研究レビューができたら,次はA4で1枚程度の簡単な研究概要書(企画書)を作成してみましょう。概要に盛り込む内容は,さしあたり以下の4点です。(1)タイトル案――研究計画の内容が明確に伝わるような,簡潔で印象的なタイトルを作成しましょう。(2)研究の背景――自分の研究テーマや対象を選んだきっかけや背景を説明してください。(3)研究の目的――研究の目的やねらい,研究を通じて明らかにしたいこと(問い・仮説)を説明してください。(4)研究の内容――想定される調査や分析の方法,制作や企画の内容を具体的に記載しましょう。また最後に,自分の研究に直接関連する参考文献・資料を挙げてください。研究概要やレポートのアウトライン作成のためには,『ゼミで学ぶスタディスキル〔第3版〕』(南田・矢田部・山下 2017)第6章と第7章も参考になります。
ここで重要になるのは,調査や分析の方法です。研究の目的やねらいを達成するために,適切な調査方法を選択できているでしょうか。あるいは分析を進めるために十分な前提知識を身につけることができているでしょうか。実際に調査を実施する場合には,量的調査にせよ質的調査にせよ,まずは専門の講義を受講し教科書等で学習した上で設計を行うことを推奨します。また映画や文学作品の分析,広告やポピュラー音楽の研究の場合,表面的な分析で終わらないためには,取り上げる作品のみならず,その領域の歴史や背景についての深い知識が必要になります。研究対象についての知識が不足していると感じる場合には,調査や分析の前に,前提となる歴史を調べてまとめておくとよいでしょう。以上を踏まえた上で,実際の研究計画を作成するための参考になるようなモデルケースを,研究内容に即していくつか紹介します。
ケース1 制作者を研究する――映像制作の現場の調査
もしあなたが制作者の研究に関心があり,そのなかでもとくに映像制作の現場について調査を行いたいとしましょう。その場合,たとえば先行研究として,『テレビ番組制作会社のリアリティ』(林・四方・北出編 2022)があります。この論集では,産業としてのテレビや番組を中心とした従来の研究で忘れられてきた番組制作会社とそのスタッフに焦点を当て,制作業務や働き方の実態とその問題点を関係者へのインタビュー調査から明らかにしています。また日本の番組制作会社の歴史,最近のテレビ業界の再編についても概説されており,その点も参考になるでしょう。なおイギリスの事例ですが,『クリエイティブであれ――新しい文化産業とジェンダー』(マクロビー 2023)は,近年拡大しつつあるクリエイティブな労働の問題点を批判的に検討しています。
テレビに限らない映像制作者の労働環境については,雑誌『VIDEO SALON』2022年11月号が「映像業界の労働環境を考える」という特集を組んでいます。これは必ずしも社会学的な調査ではありませんが,読者へのアンケート調査の結果やクリエイターへのインタビューを掲載しており,問題の所在を知るうえでの手がかりになります。またジェンダーの視点から映画業界の制作や労働の調査を行った事例として,JFP(Japanese Film Project)の「日本映画業界における労働実態調査」(https://note.com/jpfilm_project/m/mb6e10b995df1)があります。こうした調査結果や質問項目も参考にしながら,自分の調査の設計を行うとよいでしょう。
とくにアニメーションの制作現場やアニメーターに関心がある場合には『アニメーターはどう働いているのか』(松永 2020)や『産業変動の労働社会学――アニメーターの経験史』(永田・松永 2022)が参考になります。また『消費と労働の文化社会学』に収録された「芸能という労働」(上岡 2023)は,映像のなかで表面的に消費されがちなアイドルを労働者として捉え,芸能活動という労働の特徴を,主にインタビュー調査によって明らかにしています。映像の出演者,演者の側に目を向けると,『夢と生きる――バンドマンの社会学』(野村 2023)はバンドマンへのインタビュー調査,『現代演劇のフィールドワーク』(佐藤 1999)は小劇場の参与観察によって演劇界と演劇人の分析を行なっています。
ケース2 ファンを研究する――ファンダムとライブの調査
もし現代のファン活動とメディアの関係に関心があるならば,『ポストメディア・セオリーズ』に収録された「デジタル・ファンダム研究の射程」(大尾 2021)が参考になるでしょう。この論文では,アイドルのファンに対するアンケート調査,半構造化インタビュー,ライブ会場での参与観察を組み合わせて,ファン活動とソーシャルメディア,動画サイトなどの関係を明らかにしています。アニメファンの研究については,『アニメの社会学』(永田・松永編 2020)のPart1「アニメファンのさまざまな実践」に収録された論文が参考になります。また『宝塚ファンの社会学』(宮本 2011)は,ファンクラブの組織に注目することでファン活動の秩序を分析しています。
ファンダムはポピュラー音楽にも大きな影響を与えました。『ファンダム・レボリューション』(フラード・ブラナー&グレイザー 2017)はソーシャルメディアが生み出したファンダムの特徴とその影響を考察しています。マーケティングの視点から書かれた本ですが,調査計画を作成する際のアイデアを得ることができます。またK-POPのファンダムについては,『BTSとARMY』(イ 2021)がBTSのみならずK-POPにファンダムが与えた影響を多角的に分析しています。『K-POP 新感覚のメディア』(金 2018)と併せて読むとより理解が深まるでしょう。
音楽ライブやフェスの参加者とメディアの関係については,『現代メディア・イベント論』に収録されている「音楽フェス」(永井 2017)が参考になります。またフェスについては『ロックフェスの社会学』(永井 2016)や『夏フェス革命〔増補版〕』(レジー 2022),ライブについては『ライブ・エンタテインメントの社会学〔増補版〕』(中川 2021),ライブハウスについては『ライブハウスの人類学』(生井 2022)が,イベントやライブ空間への参与観察やインタビュー調査の設計を行う際の手がかりとなるでしょう。一方,『コロナ禍のライブをめぐる調査レポート[聴衆・観客編]』(南田・木島・永井ほか 2021)はライブ参加者の経験についてのアンケート調査を設計する際の参考になります。ぴあ総研やコンサート・プロモーターズ協会が毎年発表しているライブ・エンターテインメントの基本的な統計も,経年変化を観察するのに役立つでしょう。
ケース3 コンテンツを研究する――映像作品と表現の調査
もしあなたがテクスト研究に関心があり,とくに映像作品を分析したいのであれば,まずは映画研究の方法が参考になるでしょう。『Film Analysis 映画分析入門』(ライアン&レノス 2014)は,映画作品を,構図やカメラワーク,編集といった技法だけでなく,ジェンダーやエスニシティなど社会学な視点から分析する方法を概説しています。また『24フレームの映画学』(北村 2021)は,具体的な映画作品の分析だけでなく,映画史,音響,アニメーション,リメイク映画などについての解説も充実しており,映画研究にとどまらない多様な映像分析の視点を提供してくれます。『フィルム・アート――映画芸術入門』(ボードウェルル&トンプソン 2007)は,映画の歴史から分析手法まで扱った著名な教科書です。
もしテレビ番組やドラマの分析に関心があれば,『プロセスが見えるメディア分析入門』(藤田・岡井編 2009)がバラエティ番組やCMを事例に分析の手法を紹介しています。『テレビだョ!全員集合』(長谷・太田編 2007)は1970年代から80年代のバラエティ番組や歌番組を分析した論集,『ギフト,再配達』(藤田 2006)は90年代のテレビドラマを多角的に分析しており,現在にも応用可能な視点を提示しています。また,制作者と映像表現の研究を架橋する形でドラマの脚本家に焦点を当てた研究として『敗者たちの想像力――脚本家・山田太一』(長谷 2012)があります。 現在,日本でも人気を集めているリアリティショーの分析は,『リアリティ番組の社会学』(リンデマン 2023)が参考になるでしょう。
また内容分析については,『内容分析の方法』(有馬 2021)がコーディングとテキストマイニング,KHコーダーを使った分析について概説しています。一方『ELAN入門』(細馬・菊地編 2019)は,映像と音響を分析するためのソフトウェアELANを用いた映像分析の方法を概説しています。このように映像作品の分析には,人文学的な表現の分析や社会学的なコンテクストの分析だけでなく,最近ではソフトウェアを使った解析や量的な分析も導入されています。こうした分析を踏まえ,実際に映像制作を行う場合には,『映像クリエイターのための完全独学マニュアル』(リュドック 2022)が参考になります。
ケース4 ソフトウェアを研究する――アプリとソーシャルメディアの調査
最後にソフトウェアやアプリの分析についても紹介しておきます。『TikTok――最強のSNSは中国から生まれる』(黄 2019),『Spotify――新しいコンテンツ王国の誕生』(カールソン&レイヨンフーフブッド 2020),『インスタグラム――野望の果ての真実』(フライヤー 2021),『NETFLIX コンテンツ王国の野望』(キーティング 2019)はいずれもジャーナリスティックな視点から書かれた書籍ですが,アプリの仕組みとその開発の歴史,ビジネスと産業化の過程について知ることができます。『メイキング・オブ・ピクサー』(プライス 2009)は,ピクサー社の歴史を通して,ソフトウェア化された映像制作が,アニメーションの表現だけでなく,映画産業やエンターテインメント業界の構造を変えていく過程を記録しています。
ソーシャルメディアとスマートフォンが私たちのコミュニケーションに与えた影響については,『一緒にいてもスマホ』(タークル 2017)と『つながりっぱなしの日常を生きる』(ボイド 2014)がそれぞれ詳細なインタビュー調査によって明らかにしています。両者を参考にして,2020年代にソーシャルメディアの調査を設計するならば,どのような質問や調査を行う必要があるか考えてみましょう。また『スマホでYouTubeにハマるを科学する』(佐々木・山下・北村 2023)は,アプリの仕組みの分析とWEBアンケート調査からYouTubeの視聴行動の分析を行っています。この調査結果をもとに新たなWEBアンケートを設計することもできますし,視聴行動の詳細を明らかにするために,YouTubeアプリの利用についてインタビュー調査や参与観察を行うこともできるでしょう。
一方,『インスタグラムと現代の視覚文化論』(マノヴィッチ 2018)は初期のインスタグラムが写真表現,デザインにどのような影響を与えたかを数量的な解析と人文的な分析を組み合わせて論じています。こうした視点が,マーケティングの場となった現在のインスタグラムにどのように応用できるか考えてみるとよいでしょう。『WE ARE DATA――アルゴリズムが「私」を決める』(チェニー・リッポルド 2018)は,検索やターゲティング広告の仕組みを解説するとともに,アルゴリズムによって構築されるネット上のアイデンティティとその社会的問題を指摘しています。一方,『格差の自動化』(ユーバンクス 2021)は,アルゴリズムによって自動化された資格審査のシステムが,結果的に不平等を拡大する可能性を,インタビュー調査によって明らかにすることを試みています。
研究計画書を作成する
研究概要を作成し,関連する先行研究を読み込み,調査計画がより具体的になってきた段階で,A4で2〜3枚程度の研究計画書を作成しましょう。研究計画書には,研究概要に記載した項目を,先行研究の内容を踏まえて発展させ加筆するとともに,毎月の具体的な調査計画・執筆スケジュールを記載してください。半年かけてゼミのレポートを作成する場合と,1年間で卒業論文を執筆する場合では,当然,分析できる事例の数や調査の規模は異なります。またインタビュー調査やエスノグラフィーの場合,調査可能な対象を探し,調査依頼を行い,実際に実施と分析を行うまでのスケジュールを設計する必要があります。
研究計画書を執筆する際には,自分の研究の「新規性」と「独自性」は何かを考えることも重要です。新規性とは,既存の研究にはない自分の研究の新しさを指します。たとえば,今までの研究は2010年代までを対象としているため,2020年代の変化を調査する,あるいは,既存の研究では量的な変化に注目しているが,インタビュー調査で質的な変化を明らかする,など,論文では何らかの新しいデータや知見を示すことが求められます。独自性は,自分の研究にしかないオリジナリティのことです。現在では多くの大学でメディアに関連した講義が開講されており,自分の研究に類似したテーマや調査は,他大学の学生がすでに取り組んでいる可能性があります。しかしそのような場合でも,この研究にしかないと言いうる発想や方法,データがあるでしょうか。
研究の新規性と独自性は,調査や分析を終え,最終的に結論を出す際に明らかになればそれで構いません。しかし計画書を作成する段階で,自分の研究の特徴や強みを意識しておくと,調査の設計や分析の焦点がより明確になります。研究計画書は,これから自分が進める研究の見取り図や地図のようなものです。計画書の段階で目的地やそこに至る道のりが明瞭で,かつ全体が俯瞰できていれば,その計画が成功する確率は高いといえるでしょう。また目的地だけでなく,周辺の地形やランドマークの所在が記載できていれば,事前の情報収集も万全であることがわかります。逆に計画書の内容が曖昧で情報や記述の精度が低いと,途中で目標を見失い,迷走する可能性も高くなります。
研究の進行に不測の事態はつきものですから,まずは計画書を万全に準備し,そのうえで実際に調査を進める際には,進行に応じて計画を修正していく臨機応変さも求められるでしょう。調査や分析の途中で迷うときには,先行研究という先達を参照するようにしてください。研究は決して闇雲に1人で進めるものではありません。孤独にパソコンに向かっているときであっても,これまでに積み重ねられてきた研究や調査との対話のなかで進めるものです。あなたがこれから進める研究もまた,いつか他の誰かの研究や調査の道標となるかもしれません。そうした無数の対話と積み重ねの先に,これからのメディア論が形成され,新しいメディア研究が徐々にその姿を明らかにしていくといえるでしょう。
参考文献
- 蘆田裕史・藤嶋陽子・宮脇千絵編,2022,『クリティカルワード ファッション・スタディーズ――私と社会と衣服の関係』フィルムアート社
- 有馬明恵,2021,『内容分析の方法〔第2版〕』ナカニシヤ出版
- ボードウェル,デイヴィッド・トンプソン,クリスティン,2007,藤木秀朗監訳,飯岡詩朗・板倉史明・北野圭介ほか訳『フィルム・アート――映画芸術入門』名古屋大学出版会
- ボイド,ダナ,2014,野中モモ訳『つながりっぱなしの日常を生きる――ソーシャルメディアが若者にもたらしたもの』草思社
- カールソン,スベン・レイヨンフーフブッド,ヨーナス,2020,池上明子訳『Spotify――新しいコンテンツ王国の誕生』ダイヤモンド社
- チェニー=リッポルド,ジョン,2018,高取芳彦訳『WE ARE DATA――アルゴリズムが「私」を決める』日経BP
- ユーバンクス,ヴァージニア,2021,ウォルシュあゆみ訳『格差の自動化――デジタル化がどのように貧困者をプロファイルし,取締り,処罰するか』人文書院
- フラード・ブラナー,ゾーイ・グレイザー,アーロン・M,2017,関美和訳『ファンダム・レボリューション――SNS時代の新たな熱狂』早川書房
- フライヤー,サラ,2021,井口耕二訳『インスタグラム─野望の果ての真実』NewsPicksパブリッシング
- 藤田真文,2006,『ギフト,再配達――テレビ・テクスト分析入門』せりか書房
藤田真文・岡井崇之編,2009,『プロセスが見えるメディア分析入門――コンテンツから日常を問い直す』世界思想社 - 藤田結子・成実弘至・辻泉編,2017,『ファッションで社会学する』有斐閣
- 長谷正人編,2016,『映像文化の社会学』有斐閣
- 長谷正人,2012,『敗者たちの想像力――脚本家 山田太一』岩波書店
- 長谷正人・太田省一編,2007,『テレビだョ!全員集合――自作自演の1970年代』青弓社
- 橋元良明編,2021,『日本人の情報行動2020』東京大学出版会
- 林香里・田中東子編,2023,『ジェンダーで学ぶメディア論』世界思想社
- 林香里・四方由美・北出真紀恵編,2022,『テレビ番組制作会社のリアリティ――つくり手たちの声と放送の現在』大月書店
- 細馬宏通・菊地浩平編,2019,『ELAN入門――言語学・行動学からメディア研究まで』ひつじ書房
- 飯田豊編,2017,『メディア技術史――デジタル社会の系譜と行方〔改訂版〕』北樹出版
- 飯田豊・立石祥子編,2017,『現代メディア・イベント論――パブリック・ビューイングからゲーム実況まで』勁草書房
- 井上俊・長谷正人編,2010,『文化社会学入門――テーマとツール』ミネルヴァ書房
- 石田英敬,2016,『大人のためのメディア論講義』筑摩書房
- 石田佐恵子,2020,「『メディアスタディーズ』の現在とは?」石田佐恵子・岡井崇之編,2020,『基礎ゼミ メディア・スタディーズ』世界思想社
- 石田佐恵子・岡井崇之編,2020,『基礎ゼミ メディアスタディーズ』世界思想社
- 伊藤守編,2015,『よくわかるメディア・スタディーズ〔第2版〕』ミネルヴァ書房
- 伊藤守編,2021,『ポストメディア・セオリーズ――メディア研究の新展開』ミネルヴァ書房
- 伊藤守編,2023,『メディア論の冒険者たち』東京大学出版会
- 門林岳史・増田展大編,2021,『クリティカル・ワード メディア論』フィルムアート社
- 上岡磨奈,2023,「芸能という労働――『アイドル・ワールド』において共有される情熱の価値」永田大輔・松永伸太朗・中村香住編『消費と労働の文化社会学――やりがい搾取以降の「批判」を考える』ナカニシヤ出版
- キーティング,ジーナ,2019,牧野洋訳『NETFLIX コンテンツ帝国の野望――GAFAを超える最強IT企業』新潮社
- 金成玟,2018,『KPOP――新感覚のメディア』岩波書店
- 北村匡平,2021,『24フレームの映画学――映像表現を解体する』晃洋書房
- 黄未来,2019,『TikTok――最強のSNSは中国から生まれる』ダイヤモンド社
- イ・ジヘン,2021,桑畑優香訳『BTSとARMY――私たちは連帯する』イースト・プレス
- リンデマン,ダニエル・J,2022,高里ひろ訳『リアリティ番組の社会学――「リアル・ワールド」「サバイバー」から「バチェラー」まで』青土社
- リュドック,2022,坂本千春訳『映像クリエイターのための完全独学マニュアル――不可能を可能にするテクニック〈撮影・録音・照明・構図・脚本・編集〉』フィルムアート社
- マノヴィッチ,レフ,2018,久保田晃弘・きりとりめでる編訳『インスタグラムと現代視覚文化論――レフ・マノヴィッチのカルチュラル・アナリティクスをめぐって』ビー・エヌ・エヌ新社
- 松永伸太朗,2020,『アニメーターはどう働いているのか――集まって働くフリーランサーたちの労働社会学』ナカニシヤ出版
- マクロビー,アンジェラ,2023,田中東子監訳,中條千晴・竹﨑一真・中村香住訳『クリエイティブであれ――新しい文化産業とジェンダー』花伝社
- 南田勝也・木島由晶・永井純一ほか,2021,『コロナ禍のライブをめぐる調査レポート[聴衆・観客編]』NextPublishing Authors Press
- 南田勝也・矢田部圭介・山下玲子,2017,『ゼミで学ぶスタディスキル〔第3版〕』北樹出版
- 光岡寿郎・大久保遼編,2019,『スクリーン・スタディーズ――デジタル時代の映像/メディア研究』東京大学出版会
- 宮入恭平,2019,『ライブカルチャーの教科書――音楽から読み解く現代社会』青弓社
- 宮本直美,2011,『宝塚ファンの社会学――スターは劇場の外で作られる』青弓社
- 水越伸編,飯田豊・劉雪雁,2022,『メディア論〔新版〕』放送大学教育振興会
- 永井純一,2016,『ロックフェスの社会学――個人化社会における祝祭をめぐって』ミネルヴァ書房
- 永井純一,2017,「音楽フェス――インターネットが拡張するライブ体験」飯田豊・立石祥子編『現代メディア・イベント論――パブリック・ビューイングからゲーム実況まで』勁草書房
- 永田大輔・松永伸太朗編,2020,『アニメの社会学――アニメファンとアニメ制作者たちの文化産業論』ナカニシヤ出版
- 永田大輔・松永伸太朗,2022,『産業変動の労働社会学――アニメーターの経験史』晃洋書房
- 永冨真梨・忠聡太・日高良祐編,2023,『クリティカル・ワード ポピュラー音楽』フィルムアート社
- 中川和亮,2021,『ライブ・エンタテインメントの社会学〔増訂版〕』五絃舎
- 生井達也,2022,『ライブハウスの人類学――音楽を介して「生きられる場」を築くこと』晃洋書房
- 西垣通・伊藤守編,2015,『よくわかる社会情報学』ミネルヴァ書房
- 野村駿,2023,『夢と生きる――バンドマンの社会学』岩波書店
- 大尾侑子,2021,「デジタル・ファンダム研究の射程――非物質的労働と時間感覚に見る『フルタイム・ファンダム』」伊藤守編『ポストメディア・セオリーズ――メディア研究の新展開』ミネルヴァ書房
- 小川博司・小田原敏・粟谷佳司ほか,2005,『メディア時代の広告と音楽――変容するCMと音楽化社会』新曜社
- 大谷信介・木下栄二・後藤範章ほか,2023,「図書館とインターネットを使いこなすために」大谷信介・木下栄二・後藤範章ほか編『最新・社会調査へのアプローチ――論理と方法』ミネルヴァ書房
- 大貫恵佳・木村絵里子・田中大介ほか編,2023,『ガールズ・アーバン・スタディーズ――「女子」たちの遊ぶ・つながる・生き抜く』法律文化社
- プライス,デイヴィッド,A.,2009,櫻井祐子訳『メイキング・オブ・ピクサー――戧造力をつくった人々』早川書房
- レジー,2022,『夏フェス革命――音楽が変わる,社会が変わる〔増補版〕』blueprint
- ライアン,マイケル・レノス,メリッサ,2014,田畑暁生訳『Film Analysis――映画分析入門』フィルムアート社
- 佐々木裕一・山下玲子・北村智,2023,『スマホでYouTubeにハマるを科学する――アーキテクチャと動画ジャンルの影響力』日経新聞出版
- 佐藤郁哉,1999,『現代演劇のフィールドワーク――芸術生産の文化社会学』東京大学出版会
- 佐藤卓己,2018,『現代メディア史〔新版〕』岩波書店
- スタインバーグ,マーク,2018,岡本健・松井広志訳「物流するメディア――メディアミックス・ハブとしてのコンビニエンスストア」岡本健・松井広志編『ポスト情報メディア論』ナカニシヤ出版
- 田中大介編,2017,『ネットワークシティ――現代インフラの社会学』北樹出版
- 谷口文和・中川克志・福田裕大,2015,『音響メディア史』ナカニシヤ出版
- 近森高明・工藤保則編,2013,『無印都市の社会学――どこにでもある日常空間をフィールドワークする』法律文化社
- 津田正太郎,2016,『メディアは社会を変えるのか――メディア社会論入門』世界思想社
- 辻泉・南田勝也・土橋臣吾編,2018,『メディア社会論』有斐閣
- タークル,シェリー,2017,日暮雅通訳『一緒にいてもスマホ――SNSとFTF』青土社
- 若林幹夫編,2013,『モール化する都市と社会――巨大商業施設論』NTT出版
- 山腰修三編,2017,『入門メディア・コミュニケーション』慶應義塾大学出版会
- 吉見俊哉,1994,『メディア時代の文化社会学』新曜社
- 吉見俊哉,2012,『メディア文化論――メディアを学ぶ人のための15話〔改訂版〕』有斐閣