改正情報 公法部門

国家公務員法の一部改正(令和3・6・11法61)

1 定年前再任用短時間勤務職員の任用等

任命権者は,60歳に達した日以後に退職をした者等を,人事院規則で定めるところにより,従前の勤務実績その他の人事院規則で定める情報に基づく選考により,短時間勤務の官職に採用することができることとした。(第60条の2関係)

2 管理監督職勤務上限年齢による降任等

(1) 任命権者は,管理監督職(一般職の職員の給与に関する法律第10条の2第1項に規定する官職等及び指定職をいう。以下同じ)を占める職員でその占める管理監督職に係る管理監督職勤務上限年齢に達している職員について,異動期間(当該管理監督職勤務上限年齢に達した日の翌日から同日以後における最初の4月1日までの間をいう。以下同じ。)に,管理監督職以外の官職又は管理監督職勤務上限年齢が当該職員の年齢を超える管理監督職(以下これらの官職を「他の官職」という。)への降任又は転任(降給を伴う転任に限る。)をするものとした。(第81条の2第1項関係)
(2) (1)の管理監督職勤務上限年齢は,60歳とする。ただし,次に掲げる管理監督職を占める職員の管理監督職勤務上限年齢は,次の年齢とした。(第81条の2第2項関係)
① 国家行政組織法第18条第1項に規定する事務次官等 62歳
② ①に掲げる管理監督職のほか,その職務と責任に特殊性があること又は欠員の補充が困難であることにより管理監督職勤務上限年齢を60歳とすることが著しく不適当と認められる管理監督職として人事院規則で定める管理監督職 60歳を超え64歳を超えない範囲内で人事院規則で定める年齢

3 管理監督職への任用の制限

任命権者は,採用し,昇任し,降任し,又は転任しようとする管理監督職に係る管理監督職勤務上限年齢に達している者を,その者が当該管理監督職を占めているものとした場合における異動期間の末日の翌日(他の官職への降任等をされた職員にあっては,当該他の官職への降任等をされた日)以後,当該管理監督職に採用し,昇任し,降任し,又は転任することができないこととした。(第81条の3関係)

4 管理監督職勤務上限年齢による降任等及び管理監督職への任用の制限の適用除外

2及び3は,臨時的職員等には適用しないこととした。(第81条の4関係)

5 管理監督職勤務上限年齢による降任等及び管理監督職への任用の制限の特例

任命権者は,他の官職への降任等をすべき管理監督職を占める職員について,次に掲げる事由があると認めるときは,当該職員が占める管理監督職に係る異動期間の末日の翌日から起算して1年を超えない期間内(当該期間内に定年退職日がある職員にあっては,当該異動期間の末日の翌日から定年退職日までの期間内)で当該異動期間を延長し,引き続き当該管理監督職を占める職員に,当該管理監督職を占めたまま勤務をさせることができることとした。(第81条の5第1項関係)
① 当該職員の職務の遂行上の特別の事情を勘案して,当該職員の他の官職への降任等により公務の運営に著しい支障が生ずると認められる事由として人事院規則で定める事由
② 当該職員の職務の特殊性を勘案して,当該職員の他の官職への降任等により,当該管理監督職の欠員の補充が困難となることにより公務の運営に著しい支障が生ずると認められる事由として人事院規則で定める事由

6 定年による退職

(1) 職員の定年を65歳とした。ただし,その職務と責任に特殊性があること又は欠員の補充が困難であることにより定年を65 歳とすることが著しく不適当と認められる官職を占める医師及び歯科医師その他の職員として人事院規則で定める職員の定年は,65歳を超え70歳を超えない範囲内で人事院規則で定める年齢とした。(第81条の6関係)
(2) (1)の定年は,令和5年4月1日から令和13年4月1日までの間,段階的に引き上げることとした。(附則第8条関係)

7 定年による退職の特例

5により異動期間(これらにより延長された期間を含む。)を延長した職員であって,定年退職日において管理監督職を占めている職員については,定年により退職すべきこととなる職員の職務の遂行上の特別の事情を勘案して,当該職員の退職により公務の運営に著しい支障が生ずると認められる事由等として人事院規則で定める事由があると認めるときであって,かつ,5により当該定年退職日まで当該異動期間を延長した場合であって,引き続き勤務させることについて人事院の承認を得たときに限り,定年退職日の翌日以後も引き続き勤務させることができることとし,当該期限は,当該職員が占めている管理監督職に係る異動期間の末日の翌日から起算して3年を超えることができないこととした。(第81条の7関係)

8 定年退職者等の再任用

定年退職者等の再任用に関する規定を削除することとした。(改正前の第81条の4及び第81条の5関係)

9 任用,給与及び退職手当に関する情報の提供並びに勤務の意思の確認

任命権者は,当分の間,職員(臨時的職員等を除く)が60歳等に達する日の属する年度の前年度において,当該職員に対し,人事院規則で定めるところにより,当該職員が60歳等に達する日以後に適用される任用,給与及び退職手当に関する措置の内容その他の必要な情報を提供するものとするとともに,同日の翌日以後における勤務の意思を確認するよう努めるものとした。(附則第9条関係)

この改正は,令和5年4月1日から施行される。