育児休業,介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の一部改正(令和3・6・9法58)
■本則1条による改正
1 有期雇用労働者の育児・介護休業取得要件の緩和
有期雇用労働者の育児休業及び介護休業の取得要件のうち「事業主に引き続き雇用された期間が1年以上である者」であることという要件を廃止することとした。(第5条第1項,第11条第1項関係)
2 事業主が講ずべき措置の改正
(1) 事業主は,妊娠・出産(本人又は配偶者)の申出をした労働者に対して,育児休業に関する制度等を知らせるとともに,育児休業申出に係る当該労働者の意向を確認するため面談を行う等の措置を講じなければならないこととした。(第21条第1項関係)
(2) 事業主は,労働者が(1)の申出をしたことを理由として,当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならないこととした。(第21条第2項関係)
(3) 事業主は,育児休業申出が円滑に行われるようにするため,雇用環境の整備に関する措置を講じなければならないこととした。(第22条第1項関係)
以上の改正は,令和4年4月1日から施行される。
■本則2条による改正
1 育児休業の分割取得等
(1) 育児休業(下記2の出生時育児休業を除く。)について,分割して2回の育児休業申出をすることができることとした。(第5条第2項関係)
(2) 保育所に入所できない等の理由により育児休業を1歳以降に延長する場合について,休業開始日を柔軟化することで各期間(1歳~1歳6か月,1歳6か月~2歳)途中でも育児休業取得者の交代を可能とすることとした。(第5条第3項,第4項及び第6項関係)
(3) 労働者が育児休業申出を撤回した場合には,育児休業の取得回数に関する規定の適用については,当該申出に係る育児休業をしたものとみなすこととした。(第8条第2項関係)
2 出生時育児休業の新設
男性の育児休業取得促進のため,出生時育児休業制度を新設することとした。(第9条の2~第9条の5関係)
(1) 労働者は,事業主に申し出ることにより,養育する子の出生後8週間以内に4週間まで出生時育児休業を取得することができることとし,また出生時育児休業は合計28日を限度として2回に分割して取得することもできることとした。
(2) 出生時育児休業の申出は,原則として休業の2週間前までとすることとした。
(3) 労使協定を締結している場合には,労働者と事業主の個別合意により,事前に調整した上で休業中に就業することを可能とすることとした。
以上の改正は,令和4年12月8日までに【→令和4年10月1日(令和3年9月27日政267)】施行される。
■本則3条による改正
常時雇用する労働者数が1000人を超える事業主に対し,毎年少なくとも1回,育児休業の取得状況について公表を義務付けることとした。(第22条の2関係)
以上の改正は,令和5年4月1日から施行される。