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★六法の活用コラムvol.4~小社六法での編集上の工夫②~

~改正条には傍線を引いています!~

 「この法律の条文は最近、改正があったんだっけ?」
 六法をご覧いただくなかで,ふとこんなことを思ったことはありませんか。
 過去1年くらいの間に,改正があったのか,なかったのか。
 今回は,ポケット六法本体で改正経過について施している編集上の工夫を紹介したいと思います。

 まずポケット六法をご覧いただくなかで,第○条の横に傍線が引っ張ってある部分とない部分があるのにはお気づきでしょうか。
 例えば,民法733条(ポケット六法485頁)のところをご覧ください。
 https://pbs.twimg.com/media/CsW_OYqVUAAhNbE.jpg:large
 
 第733条には傍線があり,第732条の横には傍線がありません。
 これは,前年版から改正があった条に対して傍線を付して,当該条文に改正があったのかなかったのかを明らかにしたものです。
 つまり,平成29年版でいえば,平成28年版ポケット六法基準日後(2015年10月1日以後)から平成28年版同書基準日(2016年9月1日)までの間にあった改正条に傍線を付しています。

 ここ最近(約1年間)にある法律が改正されたことを知っている場合などに,どの条文に改正があり,改正がなかったのか知るのに役立てていただけるのではないでしょうか。
 また,ポケット六法のうち,目次で◎のマークがついている法令(大文字法令)には,条文の条,項,号がいつ改正されたのか分かるようにそれぞれ末尾の( )内に改正した法令番号を注記しています。
 その注記には,次のようなものがあります(以下は条の場合ですが,項・号でも同様です)。
 第○条 削除(平成○法□)
 第○条……(平成○法□本条全部改正)
 第○条……(平成○法□本条改正)
 第○条……(平成○法□本条追加)
 ただし,次の3つの注意が必要です。
①一つの条・項の中ですべての項・号に改正があった場合には,個々に注記せず,条や項の最後に別行で改正経過を注記しています。
②条文に改正があった場合でも,形式的な改正(例えば,第2条が単に第3条に繰り下がったなど,単純な条文の引用条・項数の改正など)は省いています。したがって,刑法,民法のひらがな・現代語化についても各条への注記は省いています(一部のものは,現代語化以外の実質的改正があったと判断して改正注記を加えています)。なお,民法第1編から第3編までの部分に関しては,上記ひらがな・現代語化(平成16法147)により全部改正される以前の改正表示も参考のため残してあります。
③昭和20年8月14日までの改正の注記は,講学上必要と思われるものにとどめています。また,ある編・章・節などの全部が改正あるいは追加されたときには,その編・章・節などの題名の下に一括して注記しています。
 以上のように,条文の改正経過について,編集上の工夫を施していますので,機会があれば,ご活用いただき,読者の皆様の学習や調査研究活動に役立てていただけますと幸いです。