金融商品取引法(昭和23・4・13法律第25号)の一部改正(平成29・5・24法律第37号)
1 株式等の高速取引に関する法制の整備
(1)登録制の導入
1秒間に何千回もの株式売買を繰り返す「高速取引行為」の定義を定め(第2条関係),高速取引を行う者(金融商品取引業として高速取引行為を行う金融商品取引業者等を除く。)は,内閣総理大臣の登録を受けなければならないこととされた(第66条の50~第66条の54)。
また,登録を受けた高速取引行為者について,業務管理体制の整備,業務に関する帳簿書類の作成・保存等に係る規定(第66条の55~第66条の59条関係),高速取引行為者に対する報告徴取・検査,業務改善命令等の監督に関する規定を整備することとされた(第66条の60~第66条の67関係)。
(2)金融商品取引業者等に関する規定の整備(第29条の2,第31条,第33条の3及び第60条の2関係・ポケット略部分)
(3)無登録者による取引の受託の禁止
金融商品取引業者等は,高速取引行為者(金融商品取引業として高速取引行為を行う金融商品取引業者を含む。)以外の者が行う高速取引行為に係る取引を受託してはならないこととされた(第38条)。
(4)金融商品取引所による調査等(第85条の5関係・ポケット略部分)
2 上場会社による公平な情報開示に係る規制の整備
上場会社等が公表されていない重要な情報をその業務に関して金融商品取引業者,投資家等に伝達する場合,当該情報をインターネット等で公表するよう求めることとされた(フェア・ディスクロージャー・ルール。第27条の36~第27条の38)。
3 証券決済用の投資信託に係る証券会社による損失補填に関する規定の整備
有価証券の売買等の決済に関連して用いられる一定の投資信託については,その元本に生じた損失を証券会社等が補填することが可能であることを明確化することとされた(第39条関係)。
4 金融商品取引所グループの業務範囲の柔軟化(第87条の2関係・ポケット略部分)
この改正は,平成30年5月23日までに政令で定める日から施行される。