建築基準法(昭和25・5・24法律第201号)の一部改正(平成28・6・7法律第72号)
特定用途誘導地区(都市再生特別措置法109条)に関する都市計画において建築物の容積率及び建築面積の最低限度が定められた場合には,その地区内における建築物の容積率及び建築面積は,一定の建築物を除き,定められた最低限度以上でなければならないこととされた(第60条の3関係・ポケット略部分)。
この改正は,平成28年9月6日までに政令で定める日から施行される。
POKET 2016○建築基準法の一部改正(平成28・6・7法律第72号)
○都市計画法の一部改正(平成28・6・7法律第72号)
*検察審査会法の一部改正(平成28・6・3法律第54号)
○行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律(平成28・5・27法律第51号)
●行政機関の保有する情報の公開に関する法律(平成28・5・27法律第51号)
●公職選挙法(平成28・5・27法律第49号)
●公職選挙法(平成28・4・13法律第25号)
●公職選挙法(平成28・4・11法律第24号)
●公職選挙法(平成28・2・3法律第8号)
●地方自治法(平成28・2・3法律第8号)
特定用途誘導地区(都市再生特別措置法109条)に関する都市計画において建築物の容積率及び建築面積の最低限度が定められた場合には,その地区内における建築物の容積率及び建築面積は,一定の建築物を除き,定められた最低限度以上でなければならないこととされた(第60条の3関係・ポケット略部分)。
この改正は,平成28年9月6日までに政令で定める日から施行される。
道路,河川等に加え,都市高速鉄道の区域の地下又は空間についても当該都市高速鉄道を整備する立体的な範囲を都市計画に定めることができることとされた(第11条関係)。
この改正は,平成28年9月6日までに政令で定める日から施行される。
検察審査会が審査を行う場合において,検察官の協力義務として,検察官は,刑事訴訟法第350の2第1項の合意(弁護人の同意を条件に,特定犯罪に係る事件の被疑者や被告人との間で,被疑者・被告人が他人の犯罪を明かせば,検察官が不起訴,求刑を軽くする等のいわゆる司法取引の合意)がある場合は,その内容を明らかにする書面を検察審査会に提出しなければならないこととされた(第35条の2第1項関係)。
この改正は,平成30年6月2日までに政令で定める日から施行される。
行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第58号)第2条第9項に規定する行政機関非識別加工情報等は,情報公開請求に係る不開示情報とした上で,公益上の裁量的開示の対象から除くものとされた(第5条及び第7条)。
この改正は,平成29年11月26日までに政令で定められる日より施行される。
1 目的に係る改正
この法律において,行政機関における個人情報の取扱いに関する基本的事項に加え,行政機関等において個人情報を匿名加工等するなどの措置を講じて,特定の個人を識別できないようにした情報(行政機関非識別加工情報)の提供に関する事項についても定めることとした。
それらにより,行政の適正かつ円滑な運営を図り,並びに個人情報の適正かつ効果的な活用が新たな産業の創出並びに活力ある経済社会及び豊かな国民生活の実現に資するものであることその他の個人情報の有用性に配慮しつつ,個人の権利利益を保護することが目的とされた(第1条関係)。
2 「個人情報」等の定義に係る改正
(1)個人情報の定義
生存する個人に関する情報であって,「個人識別符号」が含まれるものも「個人情報」として定義されることとなった(第2条第2項関係)。
(2)個人識別符号の定義
次のいずれかに該当する文字,番号,記号その他の符号のうち,政令で定めるものをいう(第2条第3項関係)。
①特定の個人の身体の一部の特徴を電子計算機の用に供するために変換した文字,番号,記号その他の符号であって,当該特定の個人を識別することができるもの
②個人に提供される役務の利用若しくは個人に販売される商品の購入に関し割り当てられ,又は個人に発行されるカードその他の書類に記載され,若しくは電磁的方式により記録された文字,番号,記号その他の符号であって,その利用者若しくは購入者又は発行を受ける者ごとに異なるものとなるように割り当てられ,又は記載され,若しくは記録されることにより,特定の利用者若しくは購入者又は発行を受ける者を識別することができるもの
(3)要配慮個人情報の定義
本人の人種,信条,社会的身分,病歴,犯罪の経歴,犯罪により害を被った事実その他本人に対する不当な差別,偏見その他の不利益が生じないようにその取扱いに特に配慮を要するものとして政令で定める記述等が含まれる個人情報として「要配慮個人情報」が定められた(第2条第4項関係)。
(4)非識別加工情報の定義
第2条第2項各号に関する個人情報の区分に応じて所定の措置を講じて特定の個人を識別することができないように個人情報を加工して得られる個人に関する情報であって,当該個人情報を復元することができないようにしたものをいうこととされた(第2条第8項関係)。
(5)行政機関非識別加工情報の定義
この法律の規定により個人情報ファイル簿に掲載されること等に該当する個人情報ファイルを構成する保有個人情報の全部又は一部を加工して得られる非識別加工情報をいうものとされた(第2条第9項関係)。
(6)行政機関非識別加工情報ファイルの定義
行政機関非識別加工情報を含む情報の集合物であって,特定の行政機関非識別加工情報につき電子計算機を用いて検索することができるように体系的に構成したもの等をいうこととされた(第2条第10項関係)。
(7)行政機関非識別加工情報取扱事業者の定義
国の機関等を除き,行政機関非識別加工情報ファイルを事業の用に供している者をいうこととされた(第2条第11項関係)。
3 行政機関非識別加工情報の提供
(1)行政機関の長は,所定の定めに従い,行政機関非識別加工情報を作成し,及び提供することができる等とすることとされた(第44条の2関係)。
(2)行政機関の長は,当該行政機関が保有している個人情報ファイルが「行政機関非識別加工情報」〔→2(5)〕に該当すると認めるときは,当該個人情報ファイル簿に「行政機関非識別加工情報をその用に供して行う事業に関する提案の募集をする」個人情報ファイルである旨等を記載しなければならないものとすることとされた(第44条の3関係)。
(3)個人情報を加工して作成する行政機関非識別加工情報をその事業の用に供する行政機関非識別加工情報取扱事業者になろうとする者は,行政機関の長に対し,当該事業に関する提案をすることができ,提案に係る個人情報ファイルの名称等を記載した書面を提出して提案をすることができるものとすることとされた。また,行政機関の長は,定期的に,その提案を募集するものとすることとされた(第44条の4及び第44条の5関係)。
(4)行政機関の長は,上記(3)の提案があったときは,当該提案をした者が欠格事由に該当しないこと等の基準に適合するかどうか審査し,当該基準に適合すると認めるときは,当該提案をした者に対し,行政機関の長との間で行政機関非識別加工情報の利用に関する契約を締結することができる旨等を通知するものとされた(第44条の6及び第44条の7関係)。
(5)行政機関の長は,行政機関非識別加工情報を作成するときは,特定の個人を識別すること及びその作成に用いる保有個人情報を復元することができないようにするために必要なものとして個人情報保護委員会規則で定める基準に従い,当該保有個人情報を加工しなければならないこととされた(第44条の10関係)。
(6)行政機関非識別加工情報の利用に関する契約を締結する者は,政令で定めるところにより,手数料を納めなければならないこととされた(第44条の13関係)
(7)行政機関の長は,行政機関非識別加工情報等の適切な管理のために必要な措置を講じなければならないものとされた(第44条の15関係)。
(8)行政機関非識別加工情報等の取扱いに従事する行政機関の職員等は,その業務に関して知り得た行政機関非識別加工情報等の内容をみだりに他人に知らせ,又は不当な目的に利用してはならないものとされた(第44条の16関係)。
4 雑則
行政機関の長は,3(3)の提案等をしようとする者が容易かつ的確に提案をすることができるよう,提案に資する情報の提供等の措置を講じることとされた(第51条の2)。
また,個人情報保護委員会は,行政機関非識別加工情報の取扱いに関する事務の実施状況について資料の提出及び説明を求め,行政機関の長に対し,必要な指導及び助言並びに勧告等ができるものとされた(第51条の5~第51条の7関係)。
5 罰則
行政機関から行政機関非識別加工情報等の取扱いの受託業務に従事している者等が,正当な理由がないのに個人の秘密に属する事項が記録された個人情報ファイルを提供したときは,二年以下の懲役等に処するものとすることとされた(第53条関係)。
この改正は平成29年11月26日までに政令で定められる日から施行される。
1 2009年衆議院選挙以降,最高裁で違憲状態であると判断されている衆議院小選挙区の一票の格差を是正するため,衆議院議員の定数について,小選挙区選出議員は295人→289人(「0増6減」),比例代表選出議員は180人→176人(「0増4減」)に減らすこととされた(第4条第1項)。
2 衆議院小選挙区選出議員の選挙区を別表第1(ポケット略部分)から別の法律で定めることとされた(第13条第1項)。また,衆議院議員選挙区画定審議会設置法(区画審設置法)の改正により,小選挙区の都道府県別定数配分は,人口比により近い定数配分が可能な「アダムズ方式」により行うこととされたが,比例代表の定数配分(別表第2・ポケット略部分)についても,「アダムズ方式」により行うことを明記することとされた(同条第7項)。
この改正は,2の第13条1項に規定された法律〔今後立法される新たな選挙区割りを定める法律〕の施行の日から施行される。
なお,アダムズ方式による都道府県別定数配分は,10年に1度の大規模国勢調査でのみ行うこととされているため(区画審設置法第3条第3項), その導入は2020年の国勢調査をもとに見直された改正公職選挙法成立後となる。
また,この改正の施行後においても,全国民を代表する国会議員を選出するための望ましい選挙制度の在り方については,民意の集約と反映を基本としその間の適正なバランスに配慮しつつ,公正かつ効果的な代表という目的が実現されるよう,不断の見直しが行われることとされた(附則第5条)。
1 洋上投票の対象の拡充
(1) 現行制度において,洋上投票(船員のファクシミリ装置を用いて投票を送信する方法による不在者投票制度。衆議院議員の総選挙,参議院議員の通常選挙のみ対象)の要件は,指定船舶に乗って本邦以外の区域を航海する船員で選挙の当日職務に従事すると見込まれるものに限られていたが,それ以外の船舶であって指定船舶に準ずるものとして総務省令で定める船に乗る船員についても認められた(第49条第7項)。
(2) 指定船舶及び(1)の船舶で投票することができないものとして,政令で定める船員うち選挙の当日職務に従事すると見込まれるものについては,その「現在する場所」において投票送信用紙に投票の記載をし,総務省令で指定する市町村の選挙管理委員会の委員長にファクシミリ装置を用いて送信する方法により行わせることができることとされた(第49条第8項)。これにより,不在者投票管理者(船長)の管理する投票記載場所以外の場所でも投票ができることとなった。
2 要約筆記者に対する報酬支払の解禁
選挙の際,手話通訳者以外に,聴覚障害者に筆記で候補者らの発言を文字で簡略に伝える「要約筆記者」への報酬の支払いを解禁することとされた(第197条の2関係;ポケット略部分)
この改正は,平成29年4月12日までに政令で定める日から施行される。
ただし,2の改正については,平成28年5月13日から施行される。
1 共通投票所制度の創設
(1) 市町村の選挙管理委員会は,選挙人の投票の便宜のため必要があると認める場合には,投票所のほか,その指定した場所に当該市町村に住んでいる選挙人であれば誰でも投票できる共通投票所を設けることができることとされた(第41条の2第1項)。これにより選挙人は,指定の投票所か共通投票所のいずれかで投票することができることとなった。
(2) 市町村の選挙管理委員会が共通投票所を設ける場合には,選挙人による投票所における投票と共通投票所における投票の二重投票を防止するために必要な措置を講じなければならないこととされた(第41条の2第2項)。
2 期日前投票の投票時間の弾力的な設定等
期日前投票の開閉時間について,市町村の選挙管理委員会は,最大2時間,開始時刻の繰上げや終了時刻の繰下げができることとされた(第48条の2第6項)。これにより各市町村は最長で午前6時半から午後10時まで投票時間を広げることができることとなった。
3 投票所に入ることができる子供の範囲の拡大
投票所に出入し得る者について,これまで選挙人が連れて行くことができる者は,「幼児その他の選挙人とともに投票所に入ることについてやむを得ない事情がある者として投票管理者が認めたもの」とされていたが,選挙人の同伴する幼児,児童,生徒,その他の年齢満18年未満の者は,投票所に入ることができることとし,その範囲を広げた(第58条第2項)。
この改正は,平成28年6月19日から施行される。
1 その市町村の区域内から住所を移した一定の者に係る選挙人名簿の登録及び表示
(1)選挙人名簿の登録
選挙人名簿の登録について,現行の公職選挙法上登録されることとなる者のほか,市町村の区域内から住所を移した年齢満18年以上の日本国民のうち,転居前の住所地に引き続き3か月以上住所を有していた者かつ,その区域内に住所を有しなくなった日後4か月を経過しない者についても旧住所の市町村において,選挙人名簿に登録することとされた(第21条第2項)
(2)選挙人名簿の表示
上記(1)に規定する者を選挙人名簿に登録する場合,市町村の選挙管理委員会は,同時にその旨を表示しなければならないこととされた(第27条第2項)。
2 同一都道府県の区域内で転居した一定の者に係る選挙権のみなし規定
日本国民たる年齢満18年の者について,同一都道府県の区域内で住所を移し,旧住所に3か月以上住所を有し,かつ,現住所に住所を移して以降3か月に満たない者は,当該都道府県の議会の議員及び長の選挙権を有するとみなすこととされた(第9条第6項)。
この改正は,平成28年6月19日から施行され,1については,それ以後初めてその期日を公示される国政選挙に係る選挙時登録から適用される。また,2については,その国政選挙の公示日以後告示される都道府県の議会の議員又は長の選挙から適用される。
条例の制定又は改廃の請求の規定(第74条第1項)の「選挙権を有する者」について,公職選挙法第27条第2項の規定により選挙名簿人にその旨の表示がされている者は除くこととされた(都道府県に係る請求については同一都道府県の区域内で住所を移し引き続き住所を有する者(公職選挙法第9条第6項)を除く)(第74条第5項)。
この改正は,平成28年6月19日から施行される。