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◆比較的大きな文字で表記された法律に施されている工夫

 ポケット六法では,憲法,行政手続法,行政事件訴訟法,国家賠償法,民法,刑法,商法,会社法,民事訴訟法,刑事訴訟法など参照度が高い法律を他の法令より大きな文字で表記しています(以下,大文字法令と称します)。 
 この大文字法令は,単純に大きな文字で掲載されているというだけでなく,次のような工夫も施されているのです。

1 準用規定の説明が付いている。

 準用規定に関して必要に応じて編集上の注記を付けて,分かりやすくしています。
 条文には,他の条文の規定を準用するという規定がおかれることがあります。準用というのは,本来は元の規定の対象と同じものではないけれども,性質からみて同様の取扱いをしたいときに用いられる手法です。
 例えば,民法372条では次のように注記しています(原典には〈〉=山括弧の部分はありません)。

(留置権等の規定の準用)
第三七二条 第二百九十六条〈留置権の不可分性〉、第三百四条〈物上代位〉及び第三百五十一条〈物上保証人の求償権〉の規定は、抵当権について準用する。

準用する条文の内容は,その都度条文にあたれば分かりますが,必要に応じて〈〉内に小文字で説明してありますので,準用規定が読みやすくなっています。
※より詳しくは,「有斐閣六法の使い方・読み方」16頁をご覧ください。

2 改正経過が付いている。

 条文の条・項・号について,その条・項・号がいつ改正されたか分かるようになっています。これにより,いつその条が改正されたのかを確認する手間が省けることがあります。
 ※より詳しい説明は本コラムvol.6及び「有斐閣六法の使い方・読み方」17頁をご覧ください。

3 参照条文が付いている。

 ある条文を読むときに,参考とすべき条文が掲げられています。
 本コラムvol.3でも紹介しましたように,条文と条文のつながりや関係性を考えて,法律全体を見渡すことにもつながりますので,学習を深めたいときや知識の確認作業にお役立ちいただけるかと思います。
 ※具体的な読み方については,本コラムvol.3及び「有斐閣六法の使い方・読み方」19頁をご覧ください。

 以上のほか,大文字法令では改正欄に全ての改正履歴を掲載しているなど(改正欄につき本コラムvol.4及び「有斐閣六法の使い方・読み方」13頁)さまざま工夫を施しています。

 六法を買ってみたけれど,いまいち活用方法が分からないという方は,まずはこれらの編集上の工夫をご利用いただけますと幸いです。