改正情報 刑事法部門

犯罪捜査のための通信傍受に関する法律(平成11・8・18法律第137号)の一部改正(平成28・6・3法律第54号)

1 犯罪捜査のための通信傍受の対象事件の範囲の拡大

 通信傍受の対象事件に殺人,窃盗,詐欺等を新たに追加し,これらの追加された罪について,犯罪関連通信の受信ができるのは,当該罪に当たる行為が,あらかじめ定められた役割の分担に従って行動する人の結合体により行われるものであると疑うに足りる状況がある場合に限ることとされた(第3条第1項,別表第2関係)。

2 暗号技術を活用する新たな傍受の実施方法の導入

 検察官又は司法検察員は,裁判官の許可を受けて,通信手段の傍受の実施をする部分を管理する者(通信管理者等)に命じて通信内容を暗号化し,その後復号により復元された通信を通信管理者等の立会いの下に再生することができることとされた(第20条第1項,第21条第1項関係)。また,暗号化された通信内容を特定電子計算機に伝送させたうえで,受信と同時に復号をし、傍受すること又は一時的保存の後,復号して復元された通信を再生することができることとされた(第23条関係)。

  

 1の改正は,平成28年12月2日までに政令で定める日から,2の改正は,平成31年6月2日までに政令で定める日から施行される。