職業安定法(昭和22・11・30法律第141号)の一部改正(平成28・5・20法律第47 号)
地方公共団体の行う職業紹介に係る規定の創設
(1)職業紹介事業
地方公共団体は,無料の職業紹介事業を行うことができることとし(第29条),その旨を,厚生労働大臣に通知しなければならないこととされた。
また,特定地方公共団体は,取扱職種の範囲等(その職業紹介事業において取り扱う職種の範囲その他業務の範囲)を定めることができることされ,求人の申込み(第5条の5)及び求職の申込み(第5条の6)に係る規定は,その範囲内に限り適用するものとされた(第29条)。
(2)事業の廃止
特定地方公共団体は,無料の職業紹介事業を廃止したときは,遅滞なく,その旨を厚生労働大臣に通知しなければならないこととされた(第29条の2)。
(3)名義貸しの禁止
特定地方公共団体は,自己の名義をもつて,他人に無料の職業紹介事業を行わせてはならないとされた(第29条の3)。
(4)取扱職種の範囲等の明示等
特定地方公共団体は,取扱職種の範囲等,苦情の処理に関する事項その他無料の職業紹介事業の業務の内容に関しあらかじめ求人者及び求職者に対して知らせることが適当であるものとして厚生労働省令で定める事項について,求人者及び求職者に対し,明示しなければならないこととされた(第29条の4)。
(5)公共職業安定所による情報提供
公共職業安定所は,特定地方公共団体が求人又は求職に関する情報の提供を希望するときは,当該特定地方公共団体に対して,求人又は求職に関する情報として厚生労働省令で定めるものを電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法をいう。)その他厚生労働省令で定める方法により提供するものとされた(第29条の5)。
(6)公共職業安定所による援助
公共職業安定所は,特定地方公共団体に対して,雇用情報,職業に関する調査研究の成果等の提供その他無料の職業紹介事業の運営についての援助を与えることができることとされた(第29条の6)。
(7)特定地方公共団体の責務
特定地方公共団体は,無料の職業紹介事業の運営に当たって,職業安定機関との連携の下に,その改善向上を図るために必要な措置を講ずるように努めなければならないとされた(第29条の7)。
(8)準用規定
労働争議に対する不介入(第20条)の規定は,特定地方公共団体が無料の職業紹介事業を行う場合について準用される。この場合において,同条第1項中「公共職業安定所」とあるのは「特定地方公共団体」と,同条第2項中「公共職業安定所は」とあるのは「公共職業安定所は,その旨を特定地方公共団体に通報するものとし,当該通報を受けた特定地方公共団体は,」と読み替えるものとされた(第29条の8)。
(9)施行規定
上記で定めるほか,特定地方公共団体の行う無料の職業紹介事業に関し必要な事項は,厚生労働省令で定めることとされた(第29条の9)。
この改正は平成28年8月20日より施行される。