改正情報 産業法部門

金融商品取引法(昭和23・4・13法律第25号)の一部改正(平成27・6・3法律第32号)

 《改正の趣旨》

 適格機関投資家等特例業務に関する特例制度において,事業者に対する行為規制が緩く,行政処分の対象外であることや適格機関投資家以外にも販売が可能なことから,一般投資家に被害を与えるケースが増加している状況を踏まえ,成長資金の円滑な供給の確保と投資者の保護を図るため,適格機関投資家等特例業務を行う者につき,一定の欠格事由を定め,契約の概要及びリスクを説明するための書面の契約締結前の交付の義務付け等を行うとともに,業務改善命令,業務停止命令等の監督上の処分を導入する等の措置を講ずるもの。

《主な改正内容》

 1 欠格事由の定めの追加(略)(第29条の4第1項第1号・第2号関係)
 2 説明書類の縦覧等に関する規定にインターネット利用の方法等の追加(略)(第46条の4,第47条の12,第57条の4,第57条の16)
 3 適格機関投資家等特例業務に関する見直し(略)(第63条関係)
 4 罰則規定の整備

 (1)裁判所の禁止又は停止命令
 適格機関投資家等特例業務における業務執行が著しく適正を欠き,かつ,現に投資者の利益が著しく害されており,又は害されることが明白な場合において,投資者の損害の拡大を防止する緊急の必要があるとき,裁判所は当該業務執行の禁止又は停止を命ずることができることとなった(第192条関係)。

 (2)無届,虚偽の届出に関する罰則の強化
 以下に該当する者は,5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金に処され,又はその両方を処されることとなった(第197条の2第10号の8・第10号の9)。

一 適格機関投資家等特例業務における所定の届出(第63条第2項,第63条の3)をせず,若しくは虚偽の届出をした者又は届出に添付すべき所定の書類等において虚偽の記載若しくは記録等をして届出を提出した者(第63条第3項,第63条4項)

二 内閣総理大臣による適格機関投資家等特例業務の廃止の処分に違反した者(第63条の5関係)

  
 この改正は平成28年6月2日までに政令で定める日から施行される。