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会社計算規則(平成18・2・7法務省令第13号)の一部改正(平成27・2・6法務省令第6号)

 会社法の一部を改正する法律(平成26・6・27法律第90号 ,以下「改正法」という)及び会社法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成26・6・27法律第91号)の施行に伴い,会社計算規則が改正された。

 1 出資の履行等の仮装に係る義務が履行された場合の取扱い

 改正法により,出資の履行を仮装した場合に,発起人は,株式会社に対し,払込を仮装した出資にかかる金銭の全額(給付の仮装であった場合には,給付を仮装した出資に係る金銭以外の全額の支払)等の支払義務を負うこととなった(法第52条の2第1項)。この義務の履行をした場合には,「株式会社のその他資本剰余金の額は,義務の履行により株式会社に対して支払われた金銭又は給付された金銭以外の財産の額が増加するもの」と規定された(第21条第2号)。また,設立時の又は設立後の募集株式引受人による払込の仮装等(法第102条の2第1項,法第213条の2第1項,法第285条,法第286条)において,引受人等が株式会社に対する支払義務を履行した場合も同様とされた(第21条第3号)。

 2 監査等委員会設置会社の規定新設に伴う整備

 改正法により新たに設けられた監査等委員会設置会社の制度(法第399条の2)に伴い,「計算関係書類の提供」に係る規定(第125条),「監査等委員会における監査報告の内容」(第128条の2)及び「会計監査人が会計監査の内容を通知しなければならない特定監査役の定義」に係る規定(第130条)等において,規定の整備が行われた。

 3 電磁的方法による計算書類等の株主への提供の拡大(いわゆるウェブ開示事項の拡大)

 計算書類に表示すべき事項であるが,インターネットのウェブ上に所定の期間,継続して株主が閲覧できるようにしている方法をとれば,当該事項につき,株主に対して提供したものとみなされる事項(いわゆるウェブ開示事項)に「株主資本等変動計算書」が加わり,その範囲が拡大された(第133条第4項)。

 4 企業結合会計基準等の改正に伴う整備

 株式会社の連結貸借対照表の項目のうち「少数株主持分」を「非支配株主持分」に改める(第76条第1項第2号ニ,第96条第2項第2号ニ)等,企業結合に関する会計基準等の改正を踏まえ,計算書類及び連結計算書類における表示に関する規定等が整備された(第93条,第94条,第96条第2項,第7項,第8項,第102条,第113条)。

 この改正は平成27年5月1日から施行される。ただし,4の改正規定は平成27年2月6日から施行された。