改正情報 社会法部門

生活保護法(昭和25・5・4法律第144号)の一部改正(平成25・12・13法律第104号)

 国民の生活保護制度に対する信頼を高めるため,不正・不適正受給対策の強化,医療扶助の実施の適正化等を図るとともに,被保護者の就労による自立の助長を図るため,保護の決定に係る手続や指定医療機関等の指定制度の整備,被保護者の就労による自立を促進するための給付金支給制度の創設等の措置を講じた改正である。

(1)生活保護の開始及び変更の申請に係る手続の整備(24条関係)
 保護の開始を申請する者は,特別の事情があるときを除いて,要保護者の氏名・住所,保護を受けようとする理由,要保護者の資産・収入の状況等一定の事項を記載した申請書及び添付書類を保護の実施機関に提出しなければならないものとし(24条1項・2項),保護の実施機関は,知れたる扶養義務者が民法の規定による扶養義務を履行していないと認められる場合において,保護の開始を決定しようとするときは,扶養義務者に対して書面をもって通知しなければならないとする規定(24条8項)が新設された。

(2)保護の実施機関が,要保護者,扶養義務者等に対して報告を求めることができる規定(28条関係),保護の実施機関及び福祉事務所長は,要保護者,扶養義務者等の資産・収入の状況に加え,氏名・住所,健康状態等の事項につき,官公署等に対し,必要な資料の提供等を求め,又は銀行・信託会社,要保護者等の雇主その他の関係人に報告を求めることができるものとするとともに,一定の官公署の長等は,それぞれ一定の情報につき,求めがあったときは,速やかに,資料の提供等を行うものとする規定(29条関係)が新設された。

(3)就労自立給付金の創設
都道府県知事,市長及び福祉事務所を管理する町村長は,被保護者の自立の助長を図るため,安定した職業に就いたこと等により保護を必要としなくなったと認めたものに対して,就労自立給付金を支給するものとする規定(55条の4関係)を新設した。

(4)被保護者の生活上の義務に「自ら,健康の保持及び増進に努め,収入,支出その他の生計の状況を適切に把握する」ことが加えられた(60条関係)。

 この改正は平成26年7月1日より施行され,第60条の改正規定は平成26年1月1日より施行される。