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日本国憲法の改正手続に関する法律(平成19・5・18法律第51号)の一部改正(平成26・6・20法律第75号)

1 公務員の政治的行為の制限に関する特例
 公務員は政治的行為禁止規定(公務員の政治的行為を禁止する他の法令の規定)にかかわらず,国会が憲法改正を発議した日から国民投票の期日までの間,政治的行為禁止規定により禁止されている他の政治的行為を伴わない限りにおいて,国民投票運動(憲法改正案に対し賛成又は反対の投票をし又はしないよう勧誘する行為をいう。以下同じ。)及び憲法改正に関する意見の表明ができるとされた(第100条の2関係)。

2 特定公務員の国民投票運動の禁止
 以下に掲げる者は,在職中,国民投票運動をすることができないとされた(第102条関係)。
 (1)中央選挙管理会の委員及び中央選挙管理会の庶務に従事する総務省の職員並びに選挙管理委員会の委員及び職員
 (2)国民投票広報協議会事務局の職員
 (3)裁判官
 (4)検察官
 (5)国家公安委員会又は都道府県公安委員会若しくは方面公安委員会の委員
 (6)警察官

3 国民投票権の年齢に係る経過措置
 本改正(平成26・6・20法律第75号) の施行後4年を経過するまでの間にその期日がある国民投票の投票権年齢は満20歳以上とすることとした(附則第2項)。

4 国民投票権の年齢に係る経過措置規定の削除と検討条項の再規定
 (1)「日本国憲法の改正手続に関する法律(平成19・5・18法律第51号) が施行されるまでの間に,満18歳以上満20歳未満の者が国政選挙に参加できるように,選挙年齢を定める公職選挙法,成年年齢を定める民法等の法令の規定に検討を加え,必要な法制上の措置を講ずるものとする」とした経過措置を削除した(附則第3条関係)。

 (2)本改正(平成26・6・20法律第75号) の施行後,速やかに満18歳以上満20歳未満の者が国政選挙に参加できるように,国民投票権を有する者と選挙権を有する者との年齢との均衡等を勘案し,公職選挙法,民法その他の法令の規定に検討を加え,必要な法制上の措置を講ずるものとした(附則第3項関係)。

5 国民投票制度に関する検討
 (1)公務員による国民投票運動に対する規制のあり方の検討
 公務員の政治的中立性及び公務の公正性を確保する等の観点から,国民投票運動に関し,組織により行われる勧誘運動,署名運動及び示威運動の公務員による企画,主宰及び指導並びにこれらに類する行為に対する規制の在り方について検討を加え,必要な法制上の措置を講ずることとされた(附則第4項関係)。

 (2)国民投票制度の検討
 憲法改正を要する問題及び憲法改正の対象となり得る問題についての国民投票制度に関し,その意義及び必要性について,日本国憲法の採用する間接民主制との整合性の確保その他の観点から更に検討を加え,必要な措置を講ずることとされた(附則第5項関係)。

 この改正は,平成26年6月20日から施行される。