行政手続法(平成5・11・12法律第88号)の一部改正(平成26・6・13法律第70号)
処分及び行政指導に関する手続について,国民の権利利益の保護の充実を図るため,法律の要件に適合しない行政指導の中止等を求める制度,法令に違反する事実の是正のための処分又は行政指導を求める制度を整備する必要から本改正がなされた。
1 行政指導における権限の明示
行政指導に携わる者は、当該行政指導をする際に、行政機関が許認可等をする権限又は許認可等に基づく処分をする権限を行使し得る旨を示すときは、その相手方に対し,次に掲げる事項を示さなければならないこととされた(第35条第2項関係)。
(1) 当該権限を行使し得る根拠となる法令の条項
(2) 根拠法令の条項に規定する要件
(3) 当該権限の行使が②の要件に適合する理由
2 法律の要件に適合しない行政指導の中止等を求める制度の創設
法令に違反する行為の是正を求める行政指導(その根拠となる規定が法律に置かれているものに限る。)の相手方は,当該行政指導が当該法律に規定する要件に適合しないと思料するときは,当該行政指導をした行政機関に対し,その旨を申し出て,当該行政指導の中止等を求めることができるとされた。ただし,当該行政指導がその相手方について弁明その他意見陳述のための手続を経てされたものであるときは,この限りでない(第36条の2関係)。
3 法令に違反する事実是正のための処分等を求める制度の創設
何人も,法令に違反する事実がある場合において,その是正のためにされるべき処分又は行政指導(その根拠となる規定が法律に置かれているものに限る。)がされていないと思料するときは,当該処分権限を有する行政庁又は当該行政指導をする権限を有する行政機関に対し,その旨を申し出て,当該処分又は行政指導をすることを求めることができるとされた(第36条の3関係)。
この改正は平成27年4月1日より施行される。