改正情報 公法部門

改正情報 公法部門(2013年7月22日現在)

●公職選挙法(平成24・11・26法律第95号)

○自衛隊法(平成24・11・26法律第100号)

●公職選挙法(平成25・4・26法律第10号)

●公職選挙法(平成25・5・31法律第21号)

●内閣法(平成25・5・31法律第22号)

○行政機関が行う政策の評価に関する法律(平成25・5・31法律第28号)

●内閣府設置法(平成25・5・31法律第28号)

○道路交通法(平成25・6・14法律第43号)

●公職選挙法(平成25・6・28法律第68号)

 

公職選挙法(昭和25・4・15法律第100号)の一部改正(平成25・6・28法律第68号)

 改正の概要
 平成24年に成立した「衆議院小選挙区選出議員の選挙区間における人口較差を緊急に是正するための公職選挙法及び衆議院議員選挙区画定審議会設置法の一部を改正する法律」(平成24・11・26法律第95号。以下「平成24年改正法」)を改正するもの(「一部改正法の改正」。六法の使い方・読み方26頁参照)。
 平成24年改正法は,衆議院の小選挙区間における人口較差を緊急に是正するため,衆議院議員の定数を480人から475人に,小選挙区選出議員を300人から295人とすることとして(第4条第1項の改正),衆議院の小選挙区は,別表第一を削除し,別に法律で定めるものとしていた(第13条第1項の改正)。
 本改正は,平成24年改正法の第13条の改正規定を削除し,衆議院(小選挙区選出)議員選挙区は別表第一で定めることを維持したうえで,平成22年国勢調査の結果に基づき衆議院議員選挙区画定審議会が行った勧告を受け,17都県において42選挙区の改定等を行うものとした(別表第一の改正)。これにより,一票の最大格差は1.998倍となるとされる。
 この改正は,公布の日(平成25年6月28日)から施行される。
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 なお,この改正法は,衆議院での可決を経て参議院に送付した後,60日を経過しても参議院で議決に至らなかったことから,憲法第59条第4項により,参議院が否決したものとみなし,衆議院での再可決により成立したものである。

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道路交通法(昭和35・6・25法律第105号)の一部改正(平成25・6・14法律第43号)

 改正の概要
 最近の交通情勢から,①自動車等の安全な運転に支障を及ぼすおそれがある一定の病気等にかかっている者等を的確に把握するため,運転免許を受けようとする者に対する質問に関する規定の整備及び一定の病気等に該当する者を診察した医師による診察結果の届出に関する規定の整備,②無免許運転等に係る罰則の引上げ及び無免許運転幇助行為に対する罰則の整備,③自転車の運転による交通の危険を防止するための講習の導入(ポケット六法省略部分)等を行う改正。

 1 一定の病気等に係る運転者対策の推進を図るための規定の整備
  (1) 免許を受けようとする者等に対する質問等に関する規定の整備
  ① 公安委員会は,免許を受けようとする者又は免許証の更新を受けようとする者に対し,自動車等の安全な運転に支障を及ぼすおそれがある病気として政令で定めるもの(第103条第1項第1号,第1号の2又は第3号。以下「一定の病気」という)等のいずれかに該当するかどうかの判断に必要な質問をするため,質問票を交付することができることとするとともに,当該質問票の交付を受けた者は,必要な事項を記載した当該質問票を公安委員会に提出しなければならないこととした(第101条第1項,第4項)。
  ② 公安委員会は,免許を受けた者が一定の病気等に該当するかどうかを調査するため必要があると認めるときは,内閣府令で定めるところにより,その者に対し,必要な報告を求めることができることとした(第101条の5)。
  ③ ①の質問票に虚偽の記載をして提出した者に対する罰則を整備した(第117条の4)。
  (2) 一定の病気等に該当する者を診察した医師による診察結果の届出に関する規定の整備
 医師は,その診察を受けた者が一定の病気等のいずれかに該当すると認めた場合において,その者が免許を受けた者等であることを知ったときは,当該診察の結果を公安委員会に届け出ることができることとした(第101条の6)。
  (3) 一定の病気等に該当する疑いがある者に対する免許の効力の停止に関する規定の整備
 公安委員会は,臨時に適性検査を行う場合において,その者が,自動車等の運転により交通事故を起こし,かつ,当該事故の状況から判断して,一定の病気等に該当する疑いがあると認められるとき等は,3月を超えない範囲内で期間を定めてその者の免許の効力を停止することができることとした。この場合において,当該処分を受けた者が一定の病気等に該当しないことが明らかとなったときは,速やかに当該処分を解除しなければならないこととした(第104条の2の3新第1項,第2項)。
  (4) 一定の病気に該当すること等を理由として免許を取り消された場合における再取得した免許に係る免許証の有効期間に関する規定の整備(第92条の2関係)
 一定の病気に該当すること等を理由として免許の取消しを受けた者で当該取消しを受けた日から起算して3年を経過する前に次の免許を受けたものに対する免許証の有効期間に関する規定の適用については,当該取り消された免許を受けた日から当該取消しを受けた日までの期間及び当該次の免許を受けていた期間は継続していたものとみなすこととした。
  (5) 一定の病気に該当すること等を理由として免許を取り消された場合における免許の再取得に係る試験の一部免除に関する規定の整備(第97条の2関係)
 一定の病気に該当すること等を理由として免許を取り消された者でその者の免許が取り消された日から起算して3年を経過しないものについては,その者が受けていた免許に係る運転免許試験(適性試験を除く。)を免除することとした(第5号)。
 (第2条による改正)

 2 無免許運転等悪質・危険運転者対策の推進に関する規定の整備
  (1) 無免許運転等に対する罰則の引上げ
 無免許運転を行った者等(第64条第1項)に対する罰則を1年以下の懲役又は30万円以下の罰金(第117条の4)から3年以下の懲役又は50万円以下の罰金(第117条の2の2)に引き上げた。
  (2) 無免許運転幇(ほう)助行為に対する罰則規定の整備
 無免許運転を行うおそれがある者に対し自動車等を提供する行為及び自己の運送の要求等をして無免許運転が行われている自動車等に同乗する行為を禁止し(第64条第2項,第3項),これらに違反した者に対する罰則を整備した(第117条の2の2及び第117条の3の2)。
 (第1条による改正)
  (3) 取消処分者講習に関する規定の整備(第96条の3及び第108条の2(略)関係)
 免許が失効したため免許の取消しを受けなかった者等で,運転免許試験を受けようとするものは,過去1年以内に取消処分者講習を終了した者でなければならないこととした。
 (第2条による改正)

 3 自転車利用者対策の推進に関する規定の整備(略)

 この改正は,平成26年6月13日までに政令で定める日から施行される。ただし,21)(2)(無免許運転等に対する罰則の引上げ等)の改正は,平成25年12月13日までにおいて政令で定める日,14)の改正の一部は,平成27年6月13日までに政令で定める日から施行される。

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内閣府設置法(平成11・7・16法律第89号)の一部改正(平成25・5・31法律第28号)

 行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(平成25・5・31法律第27号)において,内閣総理大臣の所轄の下に,個人番号その他の特定個人情報の適正な取扱いを確保するために必要な個人番号利用事務等実施者に対する指導及び助言その他の措置を講ずることを任務とする特定個人情報保護委員会を置くこととしたことに伴って,本法を改正するもの。

 

 内閣府の任務に,「行政手続における特定の個人を識別するための番号等の適正な取扱いの確保」を加える(第3条第2項)。

 

 この改正は,平成26年1月1日から起算して6月を超えない範囲内(平成26年6月30日まで)において政令で定める日から施行される。

 

 (行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成25・5・31法律第28号)第44条による改正)

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行政機関が行う政策の評価に関する法律(平成13・6・29法律第86号)の一部改正(平成25・5・31法律第28号)

 行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(平成25・5・31法律第27号)において,内閣総理大臣の所轄の下に,個人番号その他の特定個人情報の適正な取扱いを確保するために必要な個人番号利用事務等実施者に対する指導及び助言その他の措置を講ずることを任務とする特定個人情報保護委員会を置くこととしたことに伴って,本法を改正するもの。

 

 政策評価の基本計画を定めるものとされる行政機関の長に相当するものとして「特定個人情報保護委員会」を加える(第6条第1項)。

 

 この改正は,平成26年1月1日から起算して6月を超えない範囲内(平成26年6月30日まで)において政令で定める日から施行される。

 (行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成25・5・31法律第28号)第28条による改正)

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内閣法(昭和22・1・16法律第5号)の一部改正(平成25・5・31法律第22号)

 Ⅰ 内閣法の一部改正
  1 内閣官房における情報通信技術の活用に関する総合調整機能を強化するため内閣官房に内閣情報通信政策監(政府CIO)を一人置くこととする(第16条の追加;第1項)。
  2 内閣情報通信政策監は,内閣官房長官及び内閣官房副長官を助け,命を受けて内閣官房の事務のうち情報通信技術の活用による国民の利便性の向上及び行政運営の改善に関するものを統理する(第16条第2項)。
  3 そのほか,内閣情報通信政策監を内閣官房副長官補(新第17条),内閣広報官(新第18条),内閣情報官(新第19条)の補助の対象とする。
 (第1条による改正)

 Ⅱ 高度情報通信ネットワーク社会形成基本法の一部改正(第2条による改正;ポケット六法非収録のため略)

 Ⅲ 国家公務員法及び特別職の職員の給与に関する法律の一部改正(第3条による改正)
  1 国家公務員法第2条第3項第5号の2に内閣情報通信政策監を加え,内閣情報通信政策監を特別職の公務員とする。
  2 特別職の職員の給与に関する法律(略)

 この法律は,平成25年5月31日から施行される。

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公職選挙法(昭和25・4・15法律第100号)の一部改正(平成25・5・31法律第21号)

改正の概要
 成年後見制度において後見人が付いた知的障害者らも選挙に参加できるよう,成年被後見人は選挙権及び被選挙権を有しないものとする公職選挙法第11条の排除規定を一部削除規定とする改正。憲法改正国民投票の投票権についても成年被後見人は投票権を有しないものとする日本国憲法の改正手続に関する法律第4条及び第5条の規定を削除規定とし,成年被後見人に投票権を認めた。

 Ⅰ 公職選挙法の一部改正
  1 成年後見人に係る選挙権及び被選挙権の欠格条項の削除
  成年被後見人は選挙権及び被選挙権を有しないものとする第11条第1項第1号の規定を削除規定とする。
  2 代理投票における補助者の要件の適正化等及び不在者投票における公正確保の努力義務
   (1) 代理投票の要件に係る第48条第1項の文言を「身体の故障又は文盲により自ら公職の候補者の氏名等を記載することができない」から「心身の故障その他の事由により自ら公職の候補者の氏名等を記載することができない」に改めることとする。
   (2) 不正投票を防止するため,第48条第2項に「投票所の事務に従事する者のうちから」を加え,代理投票における補助者を限定することとする。
   (3) 不在者投票の公正確保のため,努力規定として第49条に第9項を加え,不在者投票管理者は,市町村の選挙管理委員会が選定した者を投票に立ち会わせることその他の方法により,不在者投票の公正な実施の確保に努めなければならないこととする。
 (第1条による改正)

 Ⅱ 地方公共団体の議会の議員及び長の選挙に係る電磁的記録式投票機を用いて行う投票方法等の特例に関する法律の一部改正(第2条による改正;略)

 Ⅲ 日本国憲法の改正手続に関する法律の一部改正
  1 成年被後見人に係る憲法改正国民投票の投票権の欠格条項の削除
  前述のⅠ1と同様,憲法改正国民投票の投票権においても成年被後見人は,国民投票の投票権を有しないとする第4条及び第5条(市町村長は,第4条の規定により投票権を有しなくなるべき事由が生じたこと又はその事由がなくなったことを知ったときは,遅滞なくその旨を当該他の選挙管理委員会に通知しなければならないとする規定)を削除規定とする。
  2 代理投票における補助者の要件の適正化等及び不在者投票における公正確保の努力義務
  前述のⅠ2と同様,憲法改正国民投票の投票権においても代理投票における補助者の限定(憲改第59条第1項及び第2項),不在者投票の公正な実施の確保の努力義務(憲改第61条;略)を加えることとする。
 (第3条による改正)

 Ⅳ 地方自治法の一部改正
 前述のⅠ21)と同様,条例の制定又は請求及びその処置における請求者の署名簿の署名について第74条第8項の「身体の故障又は文盲」を「心身の故障その他の事由」に改め,違法署名運動の罰則についても第74条の4第3項の「身体の故障若しくは文盲」を「心身の故障その他の事由」に,同条第4項「身体の故障又は文盲」を「心身の故障その他の事由」に改めることとする。
 (附則第3条による改正)

 Ⅴ 国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部改正(附則第4条による改正;略)

 Ⅵ 農業委員会等に関する法律の一部改正(附則第5条による改正;略)

 Ⅶ 市町村の合併の特例に関する法律の一部改正(附則第6条による改正;略)

 この改正は,平成25年7月1日から施行される。

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公職選挙法(昭和25・4・15法律第100号)の一部改正(平成25・4・26法律第10号)

 

 改正の趣旨

 近年におけるインターネット等の普及に鑑み,インターネット等を利用する方法による選挙運動を解禁する以下の改正がなされました。選挙運動で利用できる文書図画として,「ウェブサイト等」を全面解禁する(第142条の3)一方,「電子メール」の利用については,送信できる者を公職の候補者及び政党等に限定しています(第142条の4第1項)。この改正は,平成25年5月26日から施行され,施行日以後初めて公示される国政選挙の公示日以後に公示又は告示される選挙から適用されます。
注 (略)は,ポケット六法省略部分。

 Ⅰ インターネット等を利用する方法による選挙運動用文書図画の頒布の解禁等
  1 ウェブサイト等を利用する方法による選挙運動用文書図画の頒布の解禁等(第142条の3の追加)
 何人も,ウェブサイト等を利用する方法(インターネット等を利用する方法のうち電子メールを利用する方法を除いたもの)により,選挙運動用文書図画を頒布することができることとした。
  2 電子メールを利用する方法による選挙運動用文書図画の頒布の解禁(第142条の4の追加)
   (1 解禁主体(第1項各号)  選挙運動用電子メールは,公職の候補者及び政党等(候補者届出政党,衆議院名簿届出政党等,参議院名簿届出政党等及び確認団体)に限り送信することができることとした(なお,第三者の選挙運動用電子メールについては,従前どおり禁止)。
   (2 送信先の限定  選挙運動用電子メールは,次のイ又はロに掲げる者の,それぞれイ又はロに定める電子メールアドレスに対してのみ,送信をすることができることとする(第2項)。ただし,送信拒否の通知を受けたときは,以後,送信をしてはならないこととした(第5項)。
    イ あらかじめ,選挙運動用電子メールの送信を求める旨又は送信に同意する旨を選挙運動用電子メール送信者に通知した者(電子メールアドレスを選挙運動用電子メール送信者に対し自ら通知した者に限る。) 当該電子メールアドレス(第1号)
    ロ 政治活動用電子メールを継続的に受信している者(電子メールアドレスを選挙運動用電子メール送信者に対し自ら通知した者に限り,かつ,通知後,全ての電子メールアドレスへの送信拒否をした者を除く。)であって,あらかじめ,選挙運動用電子メール送信者から選挙運動用電子メールを送信する旨の通知を受けたもののうち,当該通知に対し全ての電子メールアドレスへの送信拒否をしなかったもの 送信拒否の通知をした電子メールアドレス以外の電子メールアドレス(第2号)
   (3 記録の保存義務(第4項)  選挙運動用電子メール送信者は,次のイ又はロに掲げる場合に応じ,それぞれイ又はロに定める事実を証する記録を保存しなければならないこととした。
    イ (2)のイに掲げる者に対し送信をする場合  ①受信者が電子メールアドレスを選挙運動用メール送信者に対し自ら通知したこと。②選挙運動用電子メールの送信の求め又は送信への同意があったこと(第1号)。
    ロ (2)のロに掲げる者に対し送信をする場合  ①受信者が電子メールアドレスを選挙運動用メール送信者に対し自ら通知したこと。②継続的に政治活動用電子メールの送信をしていること。③選挙運動用電子メールの送信をする旨の通知をしたこと(第2号)。
  3 選挙運動用有料インターネット広告の禁止等(第142条の6の追加)
   (1 選挙運動用有料インターネット広告の禁止
    イ 何人も,公職の候補者又は政党等の氏名,名称又はこれらの類推事項を表示した選挙運動用有料インターネット広告を掲載させることができないこととした(第1項)。
    ロ 何人も,選挙運動期間中,イの禁止を免れる行為として,公職の候補者又は政党等の氏名,名称又はこれらの類推事項を表示した有料インターネット広告を掲載させることができないこととした(第2項)。
    ハ 何人も,選挙運動期間中,公職の候補者又は政党等の氏名,名称又はこれらの類推事項が表示されていない広告であって,選挙運動用ウェブサイト等に直接リンクした有料インターネット広告(バナー広告等)を掲載させることができないこととした(第3項)。
   (2) 政党等に関する有料インターネット広告の特例  (1)のロ及びハにかかわらず,政党等(候補者届出政党,衆議院名簿届出政党等,参議院名簿届出政党等及び確認団体)は,選挙運動期間中,当該政党等の選挙運動用ウェブサイト等に直接リンクした有料インターネット広告(バナー広告等)を掲載させることができることとした(第4項)。
  4 インターネット等を利用した選挙期日後の挨拶行為の解禁(第178条第2号)
  5 屋内の演説会場内における映写の解禁等(第143条第1項第4号の2及び第9項)
屋内の演説会場内における映写を解禁するとともに,屋内の演説会場内におけるポスター,立札及び看板の類についての規格制限(縦273センチメートル,横73センチメートル)を撤廃することとした。
  6 その他
   (1) インターネット等を利用する方法による選挙運動に要する支出(第187条第1項)(略)
   (2) 挨拶目的のインターネット有料広告の禁止(第152条)  改正前の「挨拶を目的とする有料広告の禁止」に,インターネット等を利用する方法による挨拶目的の有料広告の禁止を加えることとした。
   (3 適用関係(271条の6)(略)

 Ⅱ 誹謗中傷,なりすまし対策
  1 電子メールアドレスの表示義務
   (1 ウェブサイト等を利用する選挙運動用文書図画の表示義務(第142条の3第3項)  ウェブサイト等を利用する方法により選挙運動用文書図画を頒布する者は,電子メールアドレスその他のインターネット等を利用する方法によりその者に連絡をする際に必要となる情報(「電子メールアドレス等」)が正しく表示されるようにしなければならないこととした。
   (2 電子メールを利用する選挙運動用文書図画の表示義務(第142条の4第6項)  選挙運動用電子メール送信者は,選挙運動用電子メールの送信に当たり,以下の事項を正しく表示しなければならないこととした。
    イ 選挙運動用電子メールである旨
    ロ 選挙運動用電子メール送信者の氏名又は名称
    ハ 送信拒否の通知を行うことができる旨
    ニ 送信拒否の通知を行う際に必要となる電子メールアドレスその他の通知先
   (3 インターネット等を利用する方法により落選運動(特定の候補者を応援したり・批判したりするなどの活動)用文書図画を頒布する者の表示義務(第142条の5の追加)
    イ 選挙期日の公示又は告示の日から選挙当日までの間,ウェブサイト等を利用する方法により落選運動用文書図画を頒布する者は,その者の電子メールアドレス等が正しく表示されるようにしなければならないこととした(第1項)。
    ロ 選挙期日の公示又は告示の日から選挙当日までの間,電子メールを利用する方法により落選運動用文書図画を頒布する者は,当該文書図画に,その者の電子メールアドレス及び氏名又は名称を正しく表示しなければならないこととした(第2項)。
  2 氏名等の虚偽表示(第235条の5)
 改正前の氏名等の虚偽表示罪に,当選を得若しくは得しめ又は得しめない目的をもって真実に反する氏名,名称又は身分の表示をして「インターネット等を利用する方法」による通信をした者を追加することとした。
  3 選挙に関するインターネット等の適正な利用(第142条の7の追加)
 選挙に関しインターネット等を利用する者は,候補者に対して悪質な誹謗中傷をする等表現の自由を濫用して選挙の公正を害することがないよう,インターネット等の適正な利用に努めなければならないこととした。

 Ⅲ 特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(プロバイダ責任制限法)の一部改正(略)

 この改正は,平成25年5月26日から施行され,施行日以後初めて公示される国政選挙の公示日以後に公示又は告示される選挙から適用される。
 公職の候補者及び政党その他の政治団体以外の者が行う電子メール(第142条の3第1項に規定する電子メール)を利用する方法による選挙運動については,次回の国政選挙後,その実施状況の検討を踏まえ,次々回の国政選挙における解禁について適切な措置が講ぜられるものとする。

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自衛隊法(昭和29・6・9法律第165号)の一部改正(平成24・11・26法律第100号)

 

 改正の概要

 自衛隊の任務の円滑な遂行を図るため,①航空自衛隊の航空総隊及び航空支援集団の改編,②任務の多様化・国際化,医療技術の高度化・複雑化に十分に対応し得る資質の高い看護師を育成するため,防衛医科大学校の保健師及び看護師を養成する課程の新設,③日本国の自衛隊とオーストラリア国防軍との間における物品又は役務の相互の提供に関する日本国政府とオーストラリア政府との間の協定(日・豪物品役務相互提供協定;平成25条約第1号―平成25.1.31(発効(平成25外告34)))等の実施に係る規定の整備等を行う(①②はポケット六法省略部分)。

注 (略)は,ポケット六法省略部分。

Ⅰ 自衛隊法の一部改正(第1条)

 1 航空自衛隊の航空総隊及び航空支援集団の改編(略)

 2 保健師及び看護師の教育訓練を修了した者の一定期間勤続努力義務並びに償還金に関する規定の創設(略)

 3 日本国の自衛隊とアメリカ合衆国軍隊との間における後方支援,物品又は役務の相互の提供に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定(日・米物品役務相互提供協定;平成8・6・28条約第4号)及び日・豪物品役務相互提供協定の実施に係る規定の整備

 (1) 日・米物品役務相互提供協定関係

 自衛隊の部隊等が第84条の4第2項第3号に規定する国際緊急援助活動又は当該活動を行う人員若しくは当該活動に必要な物資の輸送を行う場合において,同一の災害に対処するために当該部隊等と共に現場に所在してこれらの活動と同種の活動を行う合衆国軍隊(アメリカ合衆国の軍隊をいう)に対し,自衛隊の任務遂行に支障を生じない限度において,物品又は役務の提供を実施することができることとした(第100条の6第1項第4号の追加,現第4号は第5号となる)。

 この改正は,平成24年11月26日から施行される。

 (2) 日・豪物品役務相互提供協定関係(第100条の8の追加)

 ① オーストラリア軍隊(オーストラリアの軍隊をいう)から要請があった場合には,自衛隊の任務遂行に支障を生じない限度において,次に掲げるオーストラリア軍隊に対し,物品又は役務の提供を実施することができることとした(第100条の8第1項各号)。
  一 自衛隊及びオーストラリア軍隊の双方の参加を得て行われる訓練に参加するオーストラリア軍隊
  二 天災地変その他の災害に際して,政府の要請に基づき災害応急対策のための活動を行うオーストラリア軍隊であって,第83条第2項又は第83条の3の規定により派遣された部隊等と共に現場に所在するもの
  三 部隊等が第84条の3第1項に規定する外国における緊急事態に際して同項の邦人の輸送を行う場合において,当該部隊等と共に現場に所在して当該輸送と同種の活動を行うオーストラリア軍隊
  四 部隊等が第84条の4第2項第3号に規定する国際緊急援助活動又は当該活動を行う人員若しくは当該活動に必要な物資の輸送を行う場合において,同一の災害に対処するために当該部隊等と共に現場に所在してこれらの活動と同種の活動を行うオーストラリア軍隊
  五 連絡調整その他の日常的な活動(訓練を除く。次号において同じ。)のため,航空機,船舶又は車両により本邦内にある自衛隊の施設に到着して一時的に滞在するオーストラリア軍隊
  六 連絡調整その他の日常的な活動のため,航空機,船舶又は車両によりオーストラリア内にあるオーストラリア軍隊の施設に到着して一時的に滞在する部隊等と共に現場に所在し,連絡調整その他の日常的な活動を行うオーストラリア軍隊

 ② 物品及び役務の提供として行う業務は,次に掲げるオーストラリア軍隊の区分に応じて定められる(第100条の8第3項)。
  一 ①一に掲げるオーストラリア軍隊 補給,輸送,修理若しくは整備,医療,通信,空港若しくは港湾に関する業務,基地に関する業務,宿泊,保管,施設の利用又は訓練に関する業務(これらの業務にそれぞれ附帯する業務を含む。)
  二 ①二から六までに掲げるオーストラリア軍隊 補給,輸送,修理若しくは整備,医療,通信,空港若しくは港湾に関する業務,基地に関する業務,宿泊,保管又は施設の利用(これらの業務にそれぞれ附帯する業務を含む。)

 ③ 物品の提供には,武器の提供は含まないものとする(第100条の8第4項)。

 ④ 自衛隊法又は他の法律の規定により,オーストラリア軍隊に対し,防衛大臣又はその委任を受けた者が自衛隊に属する物品の提供を実施する場合及び防衛省の機関又は部隊等が役務の提供を実施する場合における決済その他の手続については,法律に別段の定めがある場合を除き,日本国の自衛隊とオーストラリア国防軍との間における物品又は役務の相互の提供に関する日本国政府とオーストラリア政府との間の協定の定めるところによる(第100条の9の追加)。

 この改正は,日本国の自衛隊とオーストラリア国防軍との間における物品又は役務の相互の提供に関する日本国政府とオーストラリア政府との間の協定の効力発生の日から施行される。

Ⅱ 防衛省設置法の一部改正(第2条)(略)

Ⅲ 防衛省の職員の給与等に関する法律の一部改正(第3条)(略)

Ⅳ 国家公務員の育児休業等に関する法律及び国と民間企業との間の人事交流に関する法律の一部改正(附則第2条)(略)

Ⅴ 自衛隊員倫理法の一部改正(附則第3条)(略)

Ⅵ 国家公務員法等の一部を改正する法律等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律の一部改正(附則第4条)(略)

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公職選挙法(昭和25・4・15法律第100号)の一部改正(平成24・11・26法律第95号)

 衆議院小選挙区選出議員の選挙区をめぐる現状に鑑み,平成22年の国勢調査の結果に基づく衆議院小選挙区選出議員の選挙区の改定案の作成に当たり,各選挙区間における人口較差を緊急に是正するため,衆議院議員の定数を現在の480人から475人に,小選挙区選出議員を300人から295人に削減した(公職選挙法第4条第1項の改正)。また,衆議院の小選挙区については,別に法律で定めることとした(同法第13条第1項の改正)(第2条関係)。
 この改正は,第13条第1項に規定される法律の施行の日から施行されるが,当該法律が成立していないため,施行日は未確定である。
 なお,参議院選挙区選出議員についても選挙区間において議員一人当たりの人口に不均衡が生じている状況に鑑み,公職選挙法の一部を改正する法律(平成24・11・26法律第94号)により,参議院選挙区選出議員の各選挙区の定数について,福島県は4人から2人に,神奈川県は6人から8人に,岐阜県は4人から2人に,大阪府は6人から8人に改められた(別表第3の改正;ポケット六法省略部分)。
 この改正は,平成24年11月26日から施行される。

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