麻薬及び向精神薬取締法(昭和28・3・17法律第14号)の一部改正(平成25・5・17法律第17号)
1 麻薬取締役官及び麻薬取締員の指定薬物に係る職務の追加
指定薬物(薬事法第2条第14項)の製造,輸入,販売等の現状に鑑み,これに適切に対処するため,第54条第5項に「薬事法に違反する罪」を加え,麻薬取締官及び麻薬取締員(麻薬第54条第1項)に,以下の罪について司法警察員としての職務を行わせることとした。
・指定薬物の製造等の禁止(薬事法第76条の4)違反(同法第83条の9)
・指定薬物の製造等の禁止に違反して貯蔵,陳列,製造等された指定薬物の廃棄等の拒否等(同法第84条第19号)
・指定薬物の製造等の禁止(薬事法第76条の4)違反(同法第83条の9に該当する者を除く)(同法第84条第20号)
・同法第76条の5に規定される主として指定薬物を医療等の用途に使用する者以外の者に対する指定薬物の広告(同法第85条第7号)
・指定薬物である疑いがある物品の検査を受け,その結果の通知を受けるまでの間における当該物品及びこれと同一の物品の製造等の禁止違反(同法第86条第1項第19号)
・指定薬物又はその疑いがある物品の製造等をした者に対する必要な報告の拒否等(同法第87条第9号)
・指定薬物である疑いがある物品の検査等の拒否(同法第87条第11号)
・法人の代表者又は法人等の上記の規定の違反行為(同法第90条)
(第1条による改正)
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なお本改正において,条文中の表記が「覚せい剤」から「覚醒剤」に改められました。これは,法令における漢字使用は「常用漢字表」に従うこととなっているところ,平成22年の「常用漢字表」(平成22年内閣告示第2号)で,新たに「醒」が追加されたことによるものです。もっとも法令中の表記は,常用漢字表が改正されても,ただちに改められなければならないものではありません。それが表記という形式的なものであること,改正によるコストを低くすること等から,別に条文を改正する際に当該条文の表記を改めるという運用がなされているのです。したがって,内容上の改正の機会がなければ表記の改正も行われないので,今回の改正で第54条の「覚せい剤」は「覚醒剤」と改められますが,第3条などにある「覚せい剤」はそのままです。
2 薬事法の一部改正(第2条による改正;略)
この改正は,平成25年11月16日までに政令で定める日から施行される。