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武力攻撃事態等における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律(平成15・6・13法律第79号)の一部改正(平成27・9・30法律第76号)

1 題名の改正
 本法の題名を「武力攻撃事態等及び存立危機事態における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律」に改めることとされた。

2 目的(第1条関係)
 本法の目的について,有事となる事態として「存立危機事態」(下記3を参照)を加え,その対処について,基本となる事項を定めることにより,存立危機事態への対処のための態勢を整備する旨を明記することとされた。

3 「存立危機事態」の定義(第2条関係)
 (1)「存立危機事態」とは,我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し,これにより我が国の存立が脅かされ,国民の生命,自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態をいうこととされた(第4号関係)。
 (2)「対処措置」の定義に存立危機事態の推移に応じて実施する措置を追加することとされた(第8号関係)。

4 基本理念(第3条関係)
 存立危機事態への対処に関する基本理念を定め,存立危機事態においては,事態に応じ合理的に必要と判断される限度で存立危機武力攻撃を排除しつつ,その速やかな終結を図らなければならないこととされた。

5 国の責務(第4条関係)
 国は,組織及び機能の全てを挙げて,存立危機事態に対処するとともに,国全体として万全の措置が講じられるようにする責務を有することとされた(第1項)。また,その責務を果たすため,国は,武力攻撃事態等及び存立危機事態への円滑かつ効果的な対処が可能となるよう,関係機関が行うこれらの事態への対処についての訓練その他の関係機関相互の緊密な連携協力の確保に資する施策を実施することとされた(第2項)。

6 対処基本方針(第9条関係)
 (1)政府は,存立危機に至ったときは,対処基本方針を定めることとされた(第1項)。
 (2)対処基本方針に定める事項について,対処すべき事態に関する次の事項を追加することとされた(第2項)。
 ①事態の経緯,事態が武力攻撃事態であること,武力攻撃予測事態であること又は存立危機事態であることの認定及び当該認定の前提となった事実
 ②事態が武力攻撃事態又は存立危機事態であると認定する場合にあっては,我が国の存立を全うし,国民を守るために他に適当な手段がなく,事態に対処するため武力の行使が必要であると認められる理由
 (3)存立危機事態においては,対処基本方針に内閣総理大臣が行う国会の承認の求めを行う場合にあってはその旨を,内閣総理大臣が防衛出動を命ずる場合にあってはその旨を記載しなければならないこととされた(第4項)。

  この改正は,平成28年3月29日までに政令で定める日から施行される。