私の担当するパートでは,事例問題を素材にして,どこに着眼するか,どのように考えを組み立てていくか,その考えをどのように文章化するか,を皆さん一緒に考えていきます。法科大学院で行われている会社法の授業のデモのようなものです。使用する事例問題は,後日,有斐閣のウェブサイトで公開しますので,講演会に参加される方は事前に目を通して予習してきていただければと思います。
一人でも多くの皆さんと,「事例で考える」プロセスを共有できれば幸いです。
講演者4人は,「意欲のある初学者」を主なユーザーと想定し,また,中級者の使用にも耐える概説書として,『会社法《Legal Quest》』を執筆しました。同書そのものが,講演者4人の考える「会社法を学ぶということ」についてのメッセージになっています。私の講演では,4人が何を考えて同書を執筆したのか,そこには,4人のどのような想いが込められているのかに適宜触れながら,会社法を学ぶ際に気を付けてほしいこと,また,どの ように学べば会社法を好きになるのか,といったことをお話ししたいと考えています。
法的思考力,そして法律家の能力の重要な要素の一つとして,ナマの事実を法的な言語に翻訳できるか,あるいは条文にかかれた抽象的な法的言語をナマの具体的事実に応用できるかという点が挙げられます。この力を養うには,一般によくいわれるように,具体的な事例を基礎として法律問題を考えることが有効です。私の講演では,大杉教授による冒頭の講義と『事例で考える会社法』に挙げられた素材を踏まえて,このことの意味をより掘り下げてお話ししたいと考えています。
会社法を理解するためには,それが規律の対象としている企業や資本市場の実態について知る必要があります。そのためには,日頃から,新聞,雑誌等のニュースに接することが大切です。また,会計学,経済学(ファイナンス理論),統計学といった,企業や市場に関係する諸科学に関心を持つことも有益です。『会社法《Legal Quest》』にも,そうした関係諸科学の知見を採り入れた記述があります。私の講演では,そうした記述にも触れながら,会社法を学ぶ上でのバックボーンとなるような知見を得ることの重要性について,お話しします。
『会社法《Legal Quest》』『事例で考える会社法』の著者である、4人の講演者へのご質問を募集いたします。
会社法を学ぶ上で悩んでいること、教科書の読み方、演習書の活用方法など、是非聞いてみたいことについて質問をお寄せください。
時間の都合上いただいたご質問すべてにお答えできないことがありますが、ご了承ください。
◆質問受付期間:6月20日まで
◆受付方法:Mail:q-kouenkai@yuhikaku.co.jp (件名を「質問」としてください)
FAX:03-3813-4989 (法律講演会質問コーナー宛)
弊社ホームページからのチケットお申し込みにつきましては、
入金ご案内および手続に時間がかかるため締め切らせていただきました。
法律講演会の一部をYouTubeで録画配信いたします。期間は7月20日(金)から8月31日(金)までです。
なお,講演会当日の機材等の都合により予告なく中止する場合がございます。