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1992年05月発売
四六判 ,
246ページ
定価 1,980円(本体 1,800円)
ISBN 4-641-07556-5
在庫なし
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いま,戦後思想は大きな転換期を迎え,民衆の間にはさまざまな新しい思想が芽生えつつある。時代とともに変遷してきた戦後思想の歩みをたどりながら,そこに生き暮らしてきた人びとの時代精神が浮き彫りにされる。著者の体験が織り込まれた魅力的な同時代史エッセイ。
「どこからか新しい風が吹き始めたと感じられるようになったのは,この2~3年のことである。その風は私に戦後思想の転換期が訪れたことを告げているようでもあった。耳を傾けると,都市からも農村からも,確かに新しい風の音が聴こえてくる。戦後思想史を支配した近代主義的な思想とはどこか違う。といって社会主義思想でもない。もっと人間の存在に即した思想の足音だ。私はその風の正体をつきとめてみたくなった。それにはまず戦後思想とは何だったのかを検証していってみよう。新しい思想は,いつでも,過去の理想を新しい角度から読みなおすことをとおして生まれてくるのだから。ここに私の戦後思想への旅ははじまる。」(本書より)
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《主な目次》 「戦後」のはじまり 死者と共生する社会 1950年代の混沌 共同体 テレビの登場 60年代の疎外論 全共闘世代 企業と人間 サラリーマンのかかえている問題 イデオロギーの終焉 お金の社会 東洋的発想,ほか全56テーマ。
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