◆一千年の歴史をもつ萬葉研究の本流である訓詁注釈の伝統の上に,現代萬葉学の特色――歴史,風土,民俗,宗教など隣接諸学との多様な交流――を活かした新しい内容の滋味溢れる注釈。 ◆本文は「原文よみ下し」と「口語訳」とを大きな活字で上下二段に対照,歌のもつ声調をいきいきと味わえるように配慮した。 ◆解説は〔注〕と〔考〕の二部に分け,精緻な語釈をほどこす〔注〕に対し,〔考〕の部では作歌の動機やその社会的背景を描くと共に,歴史に生きる作者の姿を再現するようにつとめた。研究者,学生にとって絶好の手引きであるばかりでなく,一般愛好者の心の糧ともなるであろう。 |